「なんだか最近、気分が沈みがち」「人と話すのがしんどい」「仕事に行くのが怖い」
そんな精神的な不調を感じている方へ、この記事では、症状別に使えるストレスコーピング(対処法)を紹介します。
精神障害や心の不調は、誰にでも起こり得るものです。大切なのは、今の自分を責めることではなく、少しずつ「対処できる力」を育てていくこと。
私が普段精神障害の方へ支援で行っている内容も含めて紹介しますので、是非参考にしましょう。
ストレスコーピングとは?
ストレスコーピングとは、ストレスに対して自分なりの方法で「対処する力」のことです。
精神的な不調があると、日常の些細なことでもストレスに感じやすくなります。そんなとき、コーピングスキルを身につけておくことで、心の負担を軽減できます。

仕事やプライベートでストレスになることは多くありますが、できるだけストレスが大きくならないうちに対処することで悪化を防ぐことになります。
コーピングの種類
種類 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
問題焦点型 | ストレスの原因に直接働きかける | 仕事量を減らす、相談する、環境を変える |
情動焦点型 | 感情の整理や気分転換を図る | 泣く、書く、音楽を聴く、深呼吸 |
回避型 | 一時的にストレス源から距離を取る | 休職、SNS断ち、趣味に没頭 |
私が実際に支援として講座をする際にも、上記のように原因別のストレスコーピングについて紹介しています。
症状別のストレスコーピング
① 気分の落ち込み・うつ状態
何もやる気が起きない、朝起きるのがつらい、涙が出る。そんなときは、まず「自分を責めない」ことが大切です。
- 小さな達成感を積み重ねる(洗濯物を畳む、散歩する)
- 日記やメモで感情を言語化する
- 「できたことリスト」を作る
- 朝日を浴びる、部屋のカーテンを開ける
② 不安・パニック・過呼吸
突然の動悸、息苦しさ、強い不安感が襲ってくる場合は、身体の反応を落ち着かせることが優先です。
- 呼吸法(4秒吸って、7秒止めて、8秒吐く)
- 冷たい水で顔を洗う、手を冷やす
- 「今ここ」に意識を向けるグラウンディング
- 信頼できる人に「話すだけ」でもOK
③ 対人関係のストレス
人と話すのが怖い、職場や家庭での人間関係に疲れてしまう??そんなときは、距離の取り方や「自分軸」を意識することが有効です。
- 「嫌われてもいい」と思える練習
- LINEやSNSの通知をオフにする
- 自分の気持ちを紙に書いて整理する
- 「自分のための時間」を意識的に作る
④ 無気力・空虚感・感情がわからない
何も感じない、何をしても楽しくない??そんなときは、五感を使ったコーピングが効果的です。
- 香り(アロマ、コーヒー)で刺激を与える
- 触感(毛布、ペット、ぬいぐるみ)で安心感を得る
- 味覚(好きな食べ物を少しだけ)で感覚を呼び戻す
- 視覚(自然、写真、動画)で心を動かす
ストレスコーピングリストの例30個



ストレスコーピングは質よりもまずは数を出すことで自分の参考になると言われています。以下のストレスコーピングも参考にしてみましょう。
コーピング① | コーピング② | コーピング③ |
---|---|---|
音楽を聴く | カラオケ | 散歩 |
深呼吸 | 瞑想 | アロマ |
読書 | 映画鑑賞 | 日記を書く |
料理 | 掃除 | 模様替え |
お風呂 | 昼寝 | ストレッチ |
友人と話す | ペットと遊ぶ | 自然に触れる |
ガーデニング | 写真を見る | 好きな香り |
手紙を書く | 絵を描く | 編み物 |
ゲーム | YouTube | ポッドキャスト |
コンビニに行く | 空を眺める | お気に入りの服 |
コーピングが効かないと感じるときは
どんなに工夫しても、心の不調が改善しないこともあります。それはあなたの努力不足ではなく、環境や状況が合っていない可能性があります。
環境を変えるという選択肢
今の職場や生活環境が、あなたの心に負担をかけている場合、「転職」や「就労支援」を活用することも一つの方法です。
選択肢 | 特徴 | おすすめの人 |
---|---|---|
転職 | 環境を大きく変えることでリセット効果がある | 今の職場が合わないと強く感じる人 |
就労支援 | 支援員と一緒に働き方を見直せる | 精神的な不調があるが働きたい気持ちがある人 |
転職の場合は転職エージェント、就労支援の場合は就労移行がおすすめです。
以下の記事を参考にしましょう。




就労支援の活用方法
- 地域の障害者就労支援センターに相談する
- ハローワークの「就職支援ナビゲーター」を活用する
- 精神科や心療内科で「就労支援の紹介」をお願いする
まとめ:あなたの心に合った対処法を見つけよう
精神的な不調は、誰にでも起こり得るものです。大切なのは、「自分に合った対処法」を見つけること。そして、無理をしないこと。
この記事で紹介したストレスコーピングは、あくまで「選択肢の一つ」です。あなたの心が少しでも軽くなるように、できることから始めてみてください。
そして、どうしてもつらいときは、環境を変えたり誰かを頼ることが大切です。ストレスをできるだけ溜め込まず、早期に解決できるよう取り組んでいきましょう。