障害のある方が職場で安心して働ける環境を整えるには、周囲の理解が不可欠です。支援員が職場に対して「障害特性」や「配慮事項」を適切に伝えることで、本人の不安を軽減し、職場との信頼関係を築くことができます。
本記事では、支援員が作成する説明テンプレートの実例と、伝える際のチェックリストを紹介します。
なぜ障害特性の説明が必要なのか
支援員職場でのトラブルや誤解を防ぐためには、事前の情報共有が重要です。
情報を事前に伝えることで以下のメリットがあります。
- 本人の苦手なことや得意なことを職場が理解できる
- 合理的配慮の必要性を明確にできる
- 支援員が仲介することで、本人が直接伝えづらい内容も補える
説明テンプレート
以下は、支援員が職場に提出する説明資料のテンプレート構成です。
障害特性説明テンプレート(コピペOK)
| 項目 | 内容記入例 |
|---|---|
| 氏名 | 山田太郎 |
| 障害種別 | 発達障害(ASD) |
| 診断名 | 自閉スペクトラム症 |
| 得意なこと | ルール遵守・作業の正確性 |
| 苦手なこと | 臨機応変な対応・雑談 |
| 職場での配慮事項 | 指示は明確に/急な変更は事前に共有 |
| 支援員からの補足 | 本人は真面目で責任感が強いタイプです。慣れるまで時間がかかりますが、安定すると高いパフォーマンスを発揮します。 |
障害者雇用では合理的配慮として「何を配慮したらいいか」を質問されます。また、企業ではなくハローワークに伝えるコツは少し変わってきますので、「ハローワーク同行でわかった“相談員に伝えるべき情報”」の記事も見てみましょう。


支援員が説明資料を作るときのポイント



私が勤務している事業では面接時や企業見学時に本人を紹介するプロフィールを作ることがあります。ただ、書き方によってはマイナスなイメージなるため注意が必要です。
1. 本人の同意を得る
情報を共有する前に、本人の意思確認を必ず行いましょう。
可能な限り、作成した資料を本人に事前に見せることでトラブル防止に繋がる。
2. 職場の立場に配慮した表現
「できないこと」ではなく「こうすればできる」に言い換えることで、前向きな印象を与えます。
私は電話応対が苦手なので配慮してほしいです
私は電話応対が苦手のため、まずは内線のみの業務から行うことで業務を正確に行うことができます
3. 配慮事項は具体的に
「配慮してください」ではなく、「○○の場面では△△していただけると助かります」と明記します。



例えば小休憩であれば「2時間に1回10分休憩」など具体的な時間を伝えるのがポイントです。
支援員向けチェックリスト
説明資料を作成・提出する前に、以下のチェックリストで確認しましょう。
説明資料作成時のチェックリスト
- 本人の同意を得ている
- 障害名・特性が簡潔に記載されている
- 得意・苦手が具体的に書かれている
- 職場での配慮事項が明確で実行可能
- 支援員としての補足コメントがある
- ネガティブな表現を避けている
- 誤字脱字がない
職場に提出する際の注意点



本人が直接渡すのか、支援者から渡すかあどうかも事前に相談しておくことでスムーズに進みます。
- 提出前に本人と最終確認を行う
- 職場の担当者に直接渡すか、支援機関を通じて提出する
- 提出後もフォローアップを行い、必要に応じて内容を更新する
まとめ:説明テンプレは“橋渡し”のツール
障害特性の説明テンプレートは、本人と職場をつなぐ「橋渡し」の役割を果たします。支援員が丁寧に作成することで、職場の理解が深まり、安心して働ける環境づくりにつながります。この記事のテンプレートやチェックリストを活用し、実践的な支援を進めていきましょう。
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