アサーティブトレーニングで「言いにくいこと」を上手に伝える技術

「言いにくいこと」を上手に伝える技術を紹介するアサーティブトレーニングのイラスト

職場や転職活動の場面で、「本当は言いたいけど、言いにくい…」そんな経験はありませんか?


アサーティブトレーニングは、自分の気持ちや意見を相手に配慮しながら、率直に伝える技術です。


この記事では、アサーティブの基本から、実践的なトレーニング方法、転職活動での活用例までを詳しく解説します。

目次

アサーティブとは?非主張・攻撃的との違い

アサーティブの定義

アサーティブ(Assertive)とは、「自己主張」と訳されることが多いですが、単なる主張ではありません。


自分の意見や感情を率直に伝えつつ、相手の立場や感情にも配慮するコミュニケーションスタイルです。

3つのコミュニケーションタイプ

支援員

就労支援の講座ではドラえもんに例えて、非主張的をのび太君、攻撃的をジャイアン、アサーティブをしずかちゃんに例えて説明したりしています。

タイプ特徴相手への影響
非主張的(Passive)言いたいことを我慢しがち誤解される・軽視される
攻撃的(Aggressive)相手を否定して強く主張反感を買いやすい
アサーティブ(Assertive)自分も相手も尊重して伝える信頼関係が築ける

なぜ「言いにくいこと」が伝えられないのか?

人の心理として「嫌われたくない」という考えが働き、どうしても伝えるのに躊躇してしまうことがあります。

よくある心理的ブレーキ

  • 相手に嫌われたくない
  • 空気を壊したくない
  • 自信がない・断られるのが怖い

これらの感情は自然なものですが、伝えないことでストレスが溜まり、関係性が悪化することもあります。

アサーティブトレーニングの基本ステップ

支援員

アサーティブトレーニングでは事実と感情を分けて考えるのがコツです。

STEP1:自分の感情を認識する

まずは「何を感じているか」を言語化することが大切です。

例:「納期が短くて不安」「もっと準備時間が欲しい」など。

STEP2:事実と感情を分けて伝える

主観ではなく、客観的な事実をもとに伝えることで、相手の防衛反応を減らせます。

また、“思考の罠”に気づく力:自動思考と認知の歪みを見抜く方法の記事でも解説していますが、人は無意識に間違った考えをしてしまうこともあるので、気づく力を持つことも大切です。

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STEP3:「メッセージ」で伝える

「あなたはいつも遅い」ではなく、「私は納期が気になっている」と伝えることで、責める印象を避けられます。

STEP4:相手の立場にも配慮する

「あなたも忙しいのは分かるけど…」と前置きすることで、共感を示しながら伝えられます。

相手のことを気遣う言葉をワンクッション入れるだけでも印象が大きく変わる

実践例:「言いにくいこと」を伝えるフレーズ集

支援員

例を元に、NG例とアサーティブな伝え方を紹介します。

状況NG例アサーティブな言い方
納期が厳しい「無理です」「納期に間に合わせるには、もう少し時間が必要です」
仕事の割り振り「なんで私ばかり?」「最近業務が偏っているように感じます。調整できると助かります」
面接で希望条件を伝える「給料はもっと欲しいです」「私の経験とスキルを踏まえると、○○円程度を希望しています」

転職活動でアサーティブスキルが活きる場面

アサーティブな伝え方ができるようになると、転職でも大きく活かせることができます。

面接での自己PR

自信を持って自分を語ることは、アサーティブの基本です。


「私には○○の経験があります。御社では△△に活かせると考えています」といった構成が効果的です。

条件交渉・入社後の人間関係

希望条件を伝える際や、入社後のチーム内での調整にも、アサーティブな伝え方が役立ちます。

アサーティブトレーニングの練習方法

1人でできるワーク

  • 過去の「言えなかった場面」を振り返り、言い換え例を考える
  • 「Iメッセージ」で伝える練習を紙に書く
  • 鏡の前で話す練習をする

職場や支援現場での実践

支援現場では、利用者との関係構築やスタッフ間の調整にもアサーティブが有効です。


「相手を尊重しながら、必要なことを伝える」姿勢が、信頼を生みます。

支援員

就労移行支援ではアサーティブな対応について実践的な訓練を行っている事業所もあります。

就労移行については以下の記事でも解説しています。

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まとめ:言いにくいことこそ、アサーティブに

アサーティブトレーニングは、単なる話し方ではなく「関係性を育てる技術」です。


言いにくいことを上手に伝える力は、転職活動でも職場でも、あなたの価値を高めてくれます。

普段のコミュニケーションの一つとして、是非トレーニングも実際に行ってみましょう。

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