「転職したいけど、何がしたいのか分からない」「今の仕事にモヤモヤしているけど、次の一歩が踏み出せない」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。キャリア設計の第一歩は、自分自身の「棚卸し」から始まります。
この記事では、キャリアの棚卸しとは何か、どのように進めるのか、そしてそれが転職や今後のキャリア選択にどう役立つのかを、実践的な視点で解説します。
キャリアの棚卸しとは?
支援員転職活動でも、これまでのキャリアの棚卸ができている人とそうでない人では大きく差が出ます。
過去の経験を「見える化」する作業
キャリアの棚卸しとは、これまでの職務経験、スキル、価値観、成果などを整理し、言語化するプロセスです。転職活動においては、履歴書や職務経歴書の作成にも直結する重要なステップです。
なぜ棚卸しが必要なのか?
転職活動でも有効なのと同時に、自身の方向性を決めることにも役立ちます。
- 自分の強み・弱みを客観的に把握できる
- 転職先で活かせるスキルを明確にできる
- 将来のキャリアの方向性を考える材料になる
- 面接での自己PRに説得力が増す
棚卸しの進め方ステップ
棚卸の基本的な流れは以下となります。
棚卸の基本的な流れ
これまで働いた就労経験について
学生時代や社会人になって取得した資格とスキルを見直す
仕事を選ぶうえで何を基準にするか、重要視するか
ステップ1:職務経験を時系列で書き出す
まずは過去の職歴を時系列で並べてみましょう。以下のような表にまとめると、視覚的に整理しやすくなります。
| 期間 | 所属企業・部署 | 業務内容 | 成果・業績 |
|---|---|---|---|
| 2015年〜2018年 | 株式会社〇〇・営業部 | 法人営業、新規開拓 | 年間売上目標120%達成 |
| 2018年〜2022年 | 株式会社△△・企画部 | 商品企画、マーケティング | 新商品企画で売上前年比150% |
また、キャリア設計については障害者支援の現場から学んだ「働く」の本質とキャリアの選び方の記事でも解説しています。


ステップ2:スキル・資格を棚卸しする
業務を通じて身につけたスキルや取得した資格をリストアップしましょう。
- Excel(関数・ピボット・VLOOKUP)
- PowerPoint(提案資料作成)
- VBAによる業務効率化
- 日商簿記2級
- キャリアコンサルタント資格(国家資格)



資格のように目に見えるものでなくても、これまでのスキルとして活かせそうなものを考えるのも大切です。
- 初めての業務でも向上心を持って取り組めた
- 後輩に手順など分かりやすく教えた
- 上司から「仕事の丁寧さ」を評価された
- 客様から「あなたの説明がとても分かりやすい」と言って頂いた。
ステップ3:価値観・働き方の希望を整理する
自分が仕事に求める価値観や、理想の働き方についても棚卸ししましょう。以下のような質問に答える形で整理すると効果的です。
| 問い | 自分の答え |
|---|---|
| どんな時に仕事が楽しいと感じるか? | 誰かの課題を解決できた時 |
| どんな働き方が理想か? | 裁量があり、チームで協力できる環境 |
| どんな価値を仕事で提供したいか? | 人の成長を支援すること |



上記の問いは、キャリアアンカーと呼ばれる「自分の譲れない軸」を考える時にも行っている振り返りです。
キャリアアンカーとは
ある人物が自らのキャリアを選択する際に、最も大切な(どうしても犠牲にしたくない)価値観や欲求のこと、また、周囲が変化しても自己の内面で不動なもののことをいう。
引用元:Wikipedia
棚卸しから見える「キャリアの軸」
キャリアの軸とは?
棚卸しを通じて見えてくるのが、自分の「キャリアの軸」です。これは、職種や業界を超えて一貫して大切にしたい価値観や強みのことです。
軸があると転職活動がブレない
キャリアの軸が明確になると、求人選びや面接での自己PRに一貫性が生まれます。結果として、ミスマッチの少ない転職が可能になります。



例えば「自分は成長できることが大事」「生活できる給料は必須」「誰かの役に立てる仕事をしたい」「今までの経験を活かせる仕事に就きたい」など、仕事を探すうえで優先となる条件を決めるのにも繋がります。
転職活動にどう活かすか?
職務経歴書に反映する
棚卸しで整理した経験やスキルは、職務経歴書に具体的に記載しましょう。成果や数字を交えて書くことで、説得力が増します。
面接での自己PRに活用する
「私は〇〇の経験を通じて△△のスキルを身につけました。今後は□□の分野でその力を活かしたいと考えています」といった形で、棚卸しの内容を面接で語れるようにしておきましょう。
求人選びの判断軸にする
自分の価値観や理想の働き方が明確になっていれば、求人票を見たときに「この会社は自分に合っているか?」を判断しやすくなります。
キャリア設計は「今の自分」を知ることから
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未来を描くには、現在地を知る必要がある
キャリア設計とは、単なる夢や希望ではなく、現実的な選択肢を見据えた計画です。そのためには、まず「今の自分」が何を持っていて、何を求めているのかを知る必要があります。
棚卸しは定期的に行うべき
キャリアの棚卸しは一度きりではなく、定期的に行うことで、変化する価値観やスキルを把握できます。年に1回、誕生日や年末などのタイミングで振り返るのもおすすめです。
まとめ:棚卸しから始めるキャリア設計のすすめ
- キャリアの棚卸しは、自分の経験・スキル・価値観を整理する作業
- 転職活動においては、職務経歴書や面接での自己PRに直結する
- 棚卸しを通じて「キャリアの軸」が見えてくる
- 軸があると、求人選びや転職後のミスマッチを防げる
- キャリア設計は「今の自分」を知ることから始まる
転職を考えている方も、今の仕事に悩んでいる方も、まずは自分自身の棚卸しから始めてみませんか?
未来の選択肢は、今の自分を知ることから広がっていきます。
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