「やっぱり自分は向いていない気がする」
「この会社はブラックに違いない」
「この人は信用できない」
私たちは日常的に“思い込み”で判断をしています。その代表的な心理現象が確証バイアス(Confirmation Bias)です。
特に仕事・転職・就労支援の現場では、確証バイアスが意思決定を歪め、自己効力感の低下や学習性無力感につながるケースも少なくありません。
本記事では、以下について体系的に解説します。
- 確証バイアスとは何か
- 仕事や転職面接で起きる具体例
- 学習性無力感・ゴーレム効果との関係
- 思い込みから抜け出す実践方法
確証バイアスとは?心理学の基本概念
確証バイアスの定義
確証バイアスとは、
自分の信念や仮説を支持する情報ばかりを集め、反対の情報を無意識に無視してしまう心理傾向
のことを指します。
支援員人間の脳は効率を重視するため、一度「こうだ」と判断すると、それを裏付ける証拠ばかりを探すようになります。
なぜ起きるのか?
- 認知的負荷を減らすため
- 自尊心を守るため
- 一貫性を保ちたい心理(認知的不協和の回避)
つまり確証バイアスは“怠け”ではなく、脳の自然な働きなのです。
仕事・転職で起きる確証バイアスの具体例



確証バイアスは知っておくことで様々なリスクの軽減に繋がります。
① 面接での思い込み
「どうせ自分は評価されない」と思っていると、
- 面接官の厳しい表情だけが気になる
- 小さな失敗を過大評価する
- 通過の可能性を考えない
結果、不採用通知が来ると「やっぱり」と納得してしまいます。
② 職場での人間関係
「この上司は自分が嫌いだ」という思い込みがあると、
- 注意はすべて攻撃に感じる
- 評価された部分を無視する
- 他の部下との比較ばかりする
これが対人ストレスを強めます。
③ 企業選びでの判断ミス
- 口コミの悪評だけ読む
- 良い情報を「例外」と決めつける
- 一つの体験談を全体化する
これは「過度の一般化」という認知の歪みとも関連します。
また、認知の歪みは支援現場でも多くあります。“思考の罠”に気づく力:自動思考と認知の歪みを見抜く方法の記事も見てみましょう。
学習性無力感・ゴーレム効果との関係
確証バイアスは単独で存在するわけではありません。
学習性無力感とのつながり
「どうせ無理」という信念があると、
- 失敗情報だけを収集
- 成功体験を過小評価
- 挑戦機会を回避
これが学習性無力感を強化します。


ゴーレム効果とのつながり
支援者や上司が 「この人は難しい」 と無意識に判断すると、
- できない場面ばかり注目する
- 挑戦機会を減らす
- 低い期待を態度で示す
これがゴーレム効果となり、本人のパフォーマンス低下を招きます。


| 心理現象 | 影響 |
|---|---|
| 確証バイアス | 思い込みを強化 |
| 学習性無力感 | 挑戦をやめる |
| ゴーレム効果 | 期待の低下が成果を下げる |
確証バイアスから抜け出す5つの方法



確証バイアスに陥ってしまうとネガティブな方向にいくことが多いのですが、抜けナス対処法を紹介します。
① 反証探しを習慣化する
自分の考えと“逆の証拠”を意図的に探します。
- 「本当に全員がそう思っているか?」
- 「例外はないか?」
② データと感情を分ける
- 事実
- 解釈
- 感情
を書き出すことで思考の整理ができます。
数値で分かるような「離職率〇〇%」は事実ですが、「環境が悪い」のような口コミは主観的であり本当かは立証が難しいものです。
③ 第三者視点を持つ
「友人ならどう助言するか?」と考えるだけで視野が広がります。
④ 小さな成功記録を残す
自己効力感を高めるには、成功体験の“可視化”が効果的です。


⑤ 意図的にポジティブ情報も集める
- できたことを3つ書く
- 評価された点をメモする
- 成功事例を読む
就労支援者が意識すべきポイント



支援員の場合、接し方やかける言葉が違うと利用者の潜在能力からスキル向上に大きく繋がります。
- ラベリングをしない
- 低い期待を態度で示さない
- 成功場面を具体的にフィードバックする
- 帰属の修正を行う
支援者側の確証バイアスが外れた瞬間、利用者の可能性が広がることもあります。
まとめ|確証バイアスに気づくことが成長の第一歩
確証バイアスは誰にでも起こる自然な心理現象です。
しかし、
- 仕事の判断ミス
- 転職活動の自己評価低下
- 人間関係の悪化
につながる可能性があります。
大切なのは「思い込みがあるかもしれない」と気づくこと。
それだけで、学習性無力感の連鎖を断ち切り、自己効力感を高める第一歩になります。
確証バイアスを理解し、仕事や転職の判断をより客観的に行えるようになれば、キャリアの選択肢は確実に広がります。
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