軽度自閉症はどう診断される?病院での検査・基準・流れを解説

大人と子どもの軽度自閉症(ASD)の診断風景を並べて描いたイラスト

「もしかして軽度自閉症かもしれない」「病院では何をするの?」と不安に感じている方は少なくありません。
軽度自閉症(自閉スペクトラム症・ASD)の診断は、血液検査や画像検査だけで決まるものではなく、これまでの生育歴や行動特性を総合的に評価して行われます。

この記事では、軽度自閉症の診断基準・検査内容・病院受診の流れを、大人・子どもそれぞれに分けてわかりやすく解説します。
また、現役の就労支援員として見てきた「大人になって診断を受けたことで生きやすくなったケース」についてもお伝えします。

目次

軽度自閉症(ASD)の診断とは?基本的な考え方

軽度自閉症は、現在では自閉スペクトラム症(ASD)という診断名に含まれています。

支援員

「軽度」という言葉は医学的な正式分類ではなく、日常生活や知的発達への影響が比較的少ない状態を指して使われることが一般的です。

診断は「特性の強さ」と「困りごと」を総合的に見る

ASDの診断では、次のような点を総合的に評価します。

  • コミュニケーションや対人関係の特性
  • こだわりや感覚の偏り
  • 幼少期からの傾向が続いているか
  • 生活・仕事・学業での困りごとの程度

そのため、「症状が軽そうだから診断されない」「仕事ができているから問題ない」という単純な判断にはなりません。

軽度自閉症の診断基準(DSM-5)

日本の医療機関では、主にDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)を基準に診断が行われます。

DSMについてはDSM?5 病名・用語翻訳ガイドライン(初版)のPDFで詳しく記載されています。

DSM-5におけるASDの主な診断項目

  • 対人関係・社会的コミュニケーションの持続的な困難
  • 限定的・反復的な行動や興味、こだわり
  • 幼少期から特性がみられる
  • 日常生活や社会生活に支障が出ている

これらを満たすかどうかを、医師が面接や検査を通して判断します。

大人になってからの経歴だけではなく、幼少期の状況も確認される

軽度自閉症の診断で行われる主な検査内容

診断は一度の検査で終わるとは限らず、複数回の受診が必要になることもあります。

検査の種類内容
問診・面接本人や家族から困りごと、生育歴を詳しく聞く
心理検査ASD特性を測る質問紙や行動観察
知能検査WAIS、WISCなどで得意・不得意を確認
発達検査子どもの場合、発達の偏りを評価

【大人向け】軽度自閉症の診断の流れ

支援員

大人の場合は仕事でミスが多く出たり、働くときに支障が出た時に受診される方が多いです。

大人が診断を受けるきっかけ

  • 職場の人間関係が極端にうまくいかない
  • 指示の曖昧さが理解できず何度も注意される
  • 強い疲労感や二次障害(うつ・不安)

大人の診断の流れ

流れは以下となります。

流れ

STEP
精神科・心療内科・発達外来を受診

お近くの精神科でもいいし、発達障害に強い先生を探してもOK

STEP
問診(現在の困りごと・仕事歴)

幼少期や最近の困りごと、コミュニケーションなど

STEP
心理検査・知能検査

手順については詳しく教えてくれます

STEP
必要に応じて家族からの聞き取り

本人だけでは聞き取りが難しい場合もあるため、より正確な診断となります

STEP
総合判断による診断

ASD、ADHDなどの診断

また、精神科受診する際には精神科受診でうまく話せない…伝え方のコツと準備方法の記事も参考になります。

就労支援員として見てきた「診断後に変わった人」

私は現役の就労支援員として、多くの方の就職・職場定着を支援してきました。
その中には、大人になってから軽度自閉症の診断を受けたことで、職場で配慮を受け、活躍できるようになった方もいます。

支援員

「できない人」ではなく「特性がある人」として理解されることで、業務の工夫や環境調整が進み、本来の力を発揮できるケースは決して少なくありません。

障害者枠として就職した場合、合理的配慮について会社と話すことができます。

【子ども向け】軽度自閉症の診断の流れ

もしお子さんに自閉症の傾向があると感じた際は、以下の項目を参考にしましょう。

子どもの場合に気づかれやすいサイン

  • 集団行動が極端に苦手
  • 強いこだわりや感覚過敏
  • 言葉は出ているが会話が噛み合わない

子どもの診断の流れ

  1. 小児科・発達外来を受診
  2. 保護者からの生育歴ヒアリング
  3. 行動観察・発達検査
  4. 必要に応じて保育園・学校からの情報提供

子どもの場合、早期に特性を理解することで支援につながりやすいというメリットがあります。

診断を受けるメリットと注意点

支援員

悩んだ場合は診断を受けることがおすすめです。しかし、注意点も事前に知っておきましょう。

診断を受けるメリット

メリット
  • 自分(子ども)の特性を客観的に理解できる
  • 職場・学校で合理的配慮を受けやすくなる
  • 支援制度・福祉サービスにつながる

診断に対する注意点

注意点
  • 診断名がすべてを決めるわけではない
  • 医師によって判断が異なる場合がある
  • 診断後の支援や環境調整が重要

軽度自閉症の診断は「ゴール」ではなく「スタート」

軽度自閉症の診断は、決してレッテルを貼るためのものではありません。
自分に合った生き方・働き方を見つけるためのスタート地点です。

診断名を受けて医師から助言を受けることで、自身に合った工夫や企業に求める配慮など視野が広がります。

一人で悩まず、是非相談してみましょう。

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