「仕事を断れない…」そんな悩みを抱えていませんか?
頼まれると断れず、気づけば自分の業務が後回しに。
残業が増え、ストレスが溜まり、心身ともに疲弊してしまう。そんな悪循環に陥っている方は少なくありません。
本記事では、仕事を断れない心理的背景を紐解きながら、実践的な対処法を紹介します。
臨床心理士や支援現場の知見をもとに、優しさを武器にしながら「断る力」を育てるヒントをお届けします。
仕事を断れない人が抱える悩みとは?
支援員精神障害の方や発達障害の方の支援をしていく中で、今まで「断るのが苦手だった」というエピソードをよく聞きます。
よくある悩みの例
実際に仕事を断れなかった場合は、ほとんどの場合キャパオーバーになります。
- 頼まれると断れず、業務がパンクする
- 断ると人間関係が悪くなるのではと不安
- 評価が下がるのが怖くて引き受けてしまう
- 「優しい人」でいたいという気持ちが強い
実際の声(支援現場より)
職種ごとに分けると以下のような悩みがあります。
| 職種 | 悩みの内容 |
|---|---|
| 事務職 | 上司からの急な依頼を断れず、毎日残業続き |
| 支援員 | 利用者の要望にすべて応えようとして疲弊 |
| 営業職 | クライアントの無理な要望を断れず、納期が破綻 |
なぜ仕事を断れないのか?心理的背景を解説



仕事を断れない原因を振り返ると、以下のような心理的背景があります。
1. 承認欲求と自己肯定感の低さ
「頼られる=価値がある」と感じてしまう人は、断ることで自分の存在意義が揺らぐように感じます。
自己肯定感が低いと、他者の評価に依存しやすくなり、断ることへの恐怖が強くなります。
また、“困りごと”を“強み”に変える視点|リフレーミングテンプレート無料配布中の記事でも解説していますが、自己肯定感を上げるためにも視点を変えるリフレーミングという手法がおすすめです。
2. 完璧主義と責任感の強さ
「全部こなさなければ」「迷惑をかけてはいけない」といった思考が強いと、断ることが“怠慢”や“無責任”に感じられてしまいます。
仕事は8割できたらOKなど、ある程度で区切ることで自分を守ることに繋がる
3. 対立回避傾向
過去の対立経験から「揉めたくない」「波風を立てたくない」と考え、無理にでも引き受けてしまうケースもあります。
4. 境界線の曖昧さ
自分と他者の間に明確な境界線がないと、相手の期待に過剰に応えようとしてしまいます。
「断る=冷たい人」という誤解が根底にある場合も。



実際には、うまく断ることで相手との関係性も維持することができます
仕事を断る力を育てるメリット
仕事で断る力をつけることで多くのメリットがあります。
- 自分の時間とエネルギーを守れる
- 本当に重要な業務に集中できる
- ストレスが減り、心身の健康が保てる
- 結果的に職場での信頼が高まる
実践的な対処法:断る技術を身につける



仕事で断るための具体的なステップを紹介します。
ステップ1:「断れない思考」に反論する
「断ったら嫌われるかも…」という思考に対して、「断ることで信頼を失うとは限らない」「自分の限界を伝えるのは誠実な行動」といった反論を用意しましょう。
ステップ2:「DESC法」で伝える
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| D(Describe) | 状況を具体的に説明する(例:現在の業務量) |
| E(Express) | 自分の気持ちを伝える(例:「焦りを感じています」) |
| S(Suggest) | 代替案を提案する(例:「〇〇なら対応できます」) |
| C(Choose) | 選択肢を提示する(例:「〇日以降なら可能です」) |
断るときのフレーズ例
私が勤務している事業所でも断るときに「代替案を提示する」という方法も紹介しています。
- 「今の業務量では難しいですが、〇〇なら対応可能です」
- 「〇〇の納期が迫っているため、今回は難しいです」
- 「〇〇さんに相談してみてはいかがでしょうか?」
断ることへの罪悪感を和らげる考え方



断ることは自分を守ることになりますし、そもそも本当に悪いことではないので視点を変えることがコツです。
「断る=悪」ではない
断ることは自己防衛であり、長期的な信頼関係を築くための手段です。
むしろ、無理に引き受けて品質が下がる方が、相手にとっても不利益です。
「相談」に言い換える
「断る」ではなく「相談する」と考えることで、心理的ハードルが下がります。
「今の状況を共有したい」「優先順位を確認したい」といった言い回しが有効です。
まとめ:優しさを武器に、断る力を育てよう
仕事を断れない背景には、優しさや責任感、評価への不安など、さまざまな心理が絡んでいます。
しかし、断ることは自己中心的な行動ではなく、健全な自己管理の一環です。
「断る力」は、あなた自身を守り、職場での信頼を築くための大切なスキル。
今日から少しずつ、「断る勇気」を育てていきましょう。
また、もし仕事で強いストレスを抱えている場合、鏡の法則という心理も知っておくことで新しい気づきにもなります。
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