「自分はダメだ」「何もできない」「迷惑ばかりかけている」
そんな思いに苦しんでいませんか?
精神的な不調や休職期間中は、自己否定のループに陥りやすく、前向きな視点を持つことが難しくなります。
そんなときに役立つのが「リフレーミング」という思考法です。
前回の“考え方のクセ”を味方にする技術:リフレーミングとは?の記事では概要的なことからリフレーミングの方法などお伝えしました。
この記事では、リフレーミングの意味から、実際に使えるテンプレートの無料ダウンロードまで、支援現場や個人のメンタルケアに活かせる内容をお届けします。
リフレーミングの意味
まずはリフレーミングとは何か、その意味を簡単に説明します。
視点を変えることで「意味づけ」を変える技術
リフレーミング(Reframing)とは、物事の「枠組み=フレーム」を変えることで、同じ出来事でも違った意味づけを与える思考法です。
心理学やコーチング、福祉支援の現場でも広く使われており、特に精神的な不調を抱える方や休職中の方にとって、自己肯定感を高める有効な手段となります。
例:ネガティブな自己認識を変える

普段の何気ない困りごとやネガティブな言葉は、視点を変えるとポジティブな言葉になります。
困りごと(ネガティブ) | 強みへの変換(ポジティブ) |
---|---|
こだわりが強い すぐに行動できない 感情の波が激しい 相手の悪い所ばかり気になる | 何事も責任を持って作業する 事前準備でリスクマネジメントができる 感受性が豊かで共感力が高い 細かい所にも気が利く |
よく「繊細さん」とも呼ばれるHSPも、見方を変えると「その人にしかできない」長所や人材に変わります。
精神障害・休職者にこそ必要な「視点の転換」
当サイトでは精神障害や発達障害、休職者に関する記事などを多く書いていますが、特にメンタル面やセルフケアの改善を行いたい方にリフレーミングは特におすすめです。
自己否定のループから抜け出すために
精神障害やうつ状態、適応障害などで休職している方は、「社会に迷惑をかけている」「自分には価値がない」と感じやすくなります。
しかし、リフレーミングを通じて「今は休むことが必要」「自分の感受性は強み」といった新しい視点を得ることで、自己肯定感を少しずつ回復させることができます。
支援者・家族にも役立つ
支援者や家族がリフレーミングの視点を持つことで、本人への声かけや関わり方が変わります。
「また休んでるの?」ではなく、「今は自分を整える時間だね」といった言葉が、本人の安心感につながります。



就労支援員でも支援現場で使うことは多く、私も実際に休職の方への訓練として実施しています。
リフレーミングのメリット
リフレーミングを行うことはメリットがたくさんあります。
- 自己肯定感が高まる
- ネガティブな感情を整理できる
- 行動への意欲が生まれる
- 支援者と当事者の関係が良好になる
- 復職や社会参加への一歩につながる
支援者の方は相手との信頼関係がないと同じことでも全く耳に入りません。
この記事を読んでいるあなたが支援者であれば相手との信頼関係を強くするためにも活用できますし、逆にあなたが当事者の場合は「自分自身を知ってもらう」ことにも繋がります。
また、信頼関係に関する記事として心理学ではラポール形成という言葉ありますので、以下の記事も見てみましょう。


無料テンプレートの使い方
当サイトのリフレーミングの無料テンプレートは、商用や支援現場、学校、福祉事業所などどこで使用していただいてもかまいません。応用してアレンジするのもOKです。
テンプレートのイメージ図は以下のようになります。


また、横長タイプも作成しています。


Excel形式で簡単に記入できる
今回配布するテンプレートは、Excel形式で「困りごと」と「強み」の変換を記入できるシンプルな構成です。
支援現場での面談や、個人のセルフケアにも活用できます。
使い方のステップ
実際にリフレーミングを活用する場合は、書き出した後に誰かと共有したり、意見をもらったり助言することがおすすめです。
- 自分の「困りごと」を書き出す
- それに対して「強み」や「別の見方」を考える
- 支援者や信頼できる人と共有する
- 日常の中で意識して使ってみる
テンプレート無料ダウンロードはこちら
以下のリンクから、Excel形式のリフレーミングテンプレートを無料でダウンロードできます。
Excelデータのみ記入例(見本)も記載しています。配布する際には自由にアレンジしてご使用してください。
まとめ:視点を変えるだけで、心が軽くなる
リフレーミングは、特別なスキルがなくても始められる「心の整理術」です。
精神的な不調や休職中の方にとって、自分を責める思考から抜け出す第一歩になります。
ぜひ、テンプレートを活用して「困りごと」を「強み」に変える視点を手に入れていきましょう。