就労移行支援員ってどんな人?就職サポートの内容や専門スタッフの役割を解説

就労移行支援員が障害のある利用者と面談し、就職サポートの内容を説明しているイラスト。支援員は笑顔で資料を示しながら、安心感のある対応をしている。

就職に不安を感じている障害のある方にとって、「就労移行支援員」は心強い味方です。
この記事では、「就労移行支援員とは何か?」という基本から、具体的な支援内容、関わり方、よくある質問までをわかりやすく解説します。


初めて就労移行支援を利用する方や、支援員との関係性に不安を感じている方に向けて、安心して一歩を踏み出せるような情報をお届けします。

目次

就労移行支援とは?

制度の概要

就労移行支援とは、障害のある方が一般企業への就職を目指すために、必要な支援を受けられる福祉サービスです。
対象は、18歳以上65歳未満の障害者で、就労意欲があり、一般就労を目指している方です。

障害の種類は精神障害者や発達障害者、知的障害者、身体障害者、難病などです。

主な支援内容

  • 就職活動のサポート(履歴書作成、面接練習など)
  • ビジネスマナーや対人スキル、セルフケア、PCスキルの訓練
  • 職場体験や実習の機会提供
  • 就職後の定着支援(職場での困りごとの相談など)
支援員

就労移行支援事業所によって強みは異なります。例えばパソコンに特化した事業所、対人訓練やコミュニケーションを段階的に学べる事業所、就職実績豊富など様々です。

就労移行支援員とは?

支援員の役割

就労移行支援員は、利用者の「働きたい」という気持ちを支える専門スタッフです。
個別の状況に応じて、就職までの道のりを一緒に考え、サポートしてくれます。

支援員が行う主な業務

業務内容詳細
面談利用者の希望や課題を把握し、支援計画を立てる
訓練支援PCスキルやビジネスマナーなどの訓練を実施
就職支援ハローワーク同行、履歴書添削、面接練習など
定着支援就職後のフォローアップ、職場との調整

就労支援事業所が行う就職支援とは具体的になに?

就労移行支援事業所によって多少違いはあるかもしれませんが、私が勤務していた事業所では就職前から就職後まで全般的に支援を行っていました。具体的には以下のようになります。

就職前の準備支援

就職前の事前準備
  1. これまでの職歴や就労支援での訓練から得意不得意の洗い出し
  2. 求人に求める条件の整理
  3. 履歴書・職務経歴書などの書類添削
  4. 合理的配慮の打ち合わせ
  5. 就職活動時期などの相談

特に合理的配慮は一人で考えるのは難しく、支援員の助言やすり合わせが重要です。合理的配慮については以下の記事も参考にしましょう。

就職活動時期の支援

本格的に就職活動に入った際、私が支援員として行っていた業務としては以下の用のものがあります。

就職活動時期の支援
  • ハローワークに同行して本人に合う求人票を一緒に考える
  • 模擬面接
  • 企業との面接日や入社日の調整
  • 事前に職場実習や職場見学
  • 面接同行

職場実習も調整してくれるんですか?

支援員

就労移行では職場実習の調整をしていることも多いです。事前に実習することで、企業としては「採用前に求職者の能力や人柄が分かる」、求職者としては「実際に働けそうかイメージが分かる、同僚との相性や性格を見ることもできる」というように双方にメリットがあります。

就職後の定着フォロー

就職後の定着フォローも数えきれないほど行いましたが、以下のようなフォローを実際に行いました。

就職後の定着フォロー
  • 入社日の同行
  • 企業訪問し、企業と本人の仲立ちを行う
  • 本人と定期的に面談し、悩みごとの確認、相談

支援員との関わり方

どんなふうに接してくれる?

支援員は、利用者のペースに合わせて丁寧に対応してくれます。
無理に就職を急がせることはなく、安心して相談できる存在です。

就労移行支援では最大2年間利用することができますが、私が支援してきた方も希望はバラバラなため、「半年で就職」という方もいれば、「2年間使って就職する」という方もいます。就職時期は本人の体調や希望を確認した上で相談しながら進めます。

支援員に話していいこと・相談できること

  • 就職に対する不安や悩み
  • 自分に向いている仕事がわからない
  • 職場での人間関係が心配
  • 障害特性に合った働き方を知りたい
  • 合理的配慮についてどのように伝えるか、何を伝えるか

支援員に相談するメリット

就労移行を利用して、ご利用者から多くのコメントなども頂きました。その経験なども踏まえ、以下のようなメリットがあると感じました。

一人で悩まなくていい

就職活動は不安や孤独を感じやすいものですが、支援員が伴走してくれることで、安心して進められます。

特に精神障害者や発達障害者の方はこれまで辛い経験を一人で抱えていたことも多いです。就職全般や不安について、気軽に相談することができます。

自分に合った仕事を見つけやすくなる

支援員は、利用者の特性や希望を踏まえて、適切な職種や職場環境を提案してくれます。

就労移行で最大2年間利用できるメリットとして、長い期間訓練すればするほど求職者の長所や特性が分かります。

そのうえでハローワークの同行や企業との調整ができますので、本人に合った業務に辿り着きやすくなります。

よくある質問(Q&A)

支援員に何を話せばいいか分かりません。

最初は「働きたいけど不安です」「何をしたいか、いつ働きたいかも決まっていません」といった気持ちを伝えるだけでも大丈夫です。支援員が丁寧に話を聞いてくれます。

支援員と相性が合わないと感じたら?

事業所によっては担当変更も可能です。遠慮せず、事業所のスタッフに相談しましょう。

市役所への手続きが必要ですか?不安です

就労支援員がサポートしますので、不安な点もそのまま伝えましょう。

実際に使うか分からないけど、一度見学してみたい

就労移行支援事業所は基本的に見学・体験を実施しています。まずは事業所の方に電話してみましょう。

毎日通うのは不安なので、まずは少ない日数、短い時間から利用を始めたいです

大丈夫です。一人一人に合ったペースで進めますので、希望をそのまま伝えてみましょう。

まとめ

就労移行支援員は、障害のある方の「働きたい」という気持ちに寄り添い、就職までの道のりを一緒に歩んでくれる存在です。


不安や悩みを抱えている方こそ、支援員に相談することで新しい一歩を踏み出せるかもしれません。


まずは気軽に話してみることから始めてみましょう。


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