就労移行支援は意味ない?支援員が見た“成功する人・失敗する人”

就労移行支援で成功する人と失敗する人を対比したイラスト

「就労移行支援って意味ないのでは?」
ネットやSNSで、そんな言葉を見かけて不安になったことはありませんか?

私はこれまで、就労移行支援事業所・自立訓練(生活訓練)・定着支援事業所に勤務し、主に精神障害・発達障害のある方の就職支援、復職支援、定着支援を行ってきました。

その中で感じるのは、
就労移行支援が「意味ない」と言われる背景には、はっきりとした理由があるということです。

そして同時に、
就労移行支援を上手く活用し、安定して働き続けている人が確実に存在するのも事実です。

この記事では、現役支援員の立場から、

・就労移行支援が「意味ない」と言われる理由
・成功する人・失敗する人の決定的な違い
・精神障害・発達障害の方が就職を成功させるポイント

を、できるだけ現場目線でお伝えします。

目次

就労移行支援は本当に意味ないのか?

結論から言うと、
就労移行支援は「意味がない人」と「非常に意味がある人」に分かれます。

支援員

これは制度の問題というより、利用の仕方・考え方・関わり方の違いによる影響が非常に大きいです。

「意味ない」と感じる人が多い理由

就労移行支援が意味ないと言われやすい理由は、主に以下の通りです。

  • 思っていたより就職まで時間がかかる
  • 訓練内容が物足りなく感じる
  • 支援員との相性が合わない
  • 一般就労へのイメージが曖昧なまま通所している
  • 「通うだけ」で満足してしまう

特に多いのが、
「通っていればそのうち就職できると思っていた」というケースです。

就労移行支援は、魔法の場所ではありません。あくまで “就職の準備をする場所” です。

支援員が見た「成功する人」の特徴

ここからは、実際に就職・復職につながった方々に共通する特徴をお伝えします。

① 就職をゴールにせず「働き続ける」ことを考えている

成功する人ほど、
「とにかく就職したい」ではなく、
「就職後も無理なく働き続けるにはどうすればいいか」を考えています。

そのため、

  • 自分の得意・苦手を把握している
  • 体調悪化のサインを理解している
  • 配慮事項を言語化できる

といった力が、少しずつ身についています。

② 支援員を「使う」意識がある

成功する人は、支援員に遠慮しません。

  • 不安をそのまま伝える
  • 訓練内容に意見を出す
  • 面接や実習後の振り返りを丁寧に行う

支援員は評価者ではなく、一緒に作戦を考えるパートナーだと理解しています。

「支援員に正直に伝えたら迷惑をかける」というのはNGで、働きたい気持ちや不安、配慮をお願いしたいこと、就職の方向性など考えていることを伝えたうえでうまく支援員を利用する

③ 小さな成功体験を積み重ねている

いきなりフルタイム就職を目指すのではなく、

  • 安定して週5日通所できる
  • 遅刻・欠席の理由を説明できる
  • 苦手なことを言葉にできる

こうした 小さな「できた」を大切にしています。

また、障害者枠の求人に応募前に知っておきたい!ハローワーク同行時の注意点でも解説しているのですが、ハローワークに行くときに支援員は自分の立ち位置を知っておくことが重要です。

逆に言えば、支援員の行うことを理解しておくことで、就職者側の方もうまく支援員を利用することができます。

支援員が見た「失敗しやすい人」の特徴

一方で、就労移行支援を「意味ない」と感じやすい方にも、共通点があります。

① 「受け身」の姿勢が強い

  • 支援員からの提案を待つだけ
  • 自分の希望を言語化しない
  • 困っていても黙っている

この状態が続くと、
「何のために通っているのか分からない」という感覚に陥りやすくなります。

② 自己理解が浅いまま就職を急ぐ

特に精神障害・発達障害のある方の場合、
自己理解が不十分なまま就職すると、再離職につながりやすいです。

  • 過去に同じ理由で体調を崩している
  • 配慮事項を説明できない
  • 職場に合わせすぎて無理をする

結果として
「やっぱり就労移行支援は意味なかった」
と感じてしまうケースも少なくありません。

成功する人・失敗する人の違い【比較表】

支援員

成功する人と失敗しやすい人には特徴があります。

項目成功しやすい人失敗しやすい人
通所姿勢目的を持って通う何となく通う
支援員との関係相談・提案を積極的に行う受け身・遠慮が多い
自己理解得意・苦手を説明できる曖昧なまま
就職観定着を重視内定がゴール

自己理解を深めるためにもリフレクションのことも理解しておきましょう。

あわせて読みたい

精神障害・発達障害の方が就労移行支援を活かすコツ

最後に、現場で実感している「活かし方」をお伝えします。

① 「合わない」と感じたら事業所を変えていい

就労移行支援事業所には、支援の色・得意分野・雰囲気の違いがあります。

合わない場所で無理に続けるより、自分に合う事業所を探すことも立派な選択です。

② 就職を急ぎすぎない

遠回りに見えても、

  • 生活リズムの安定
  • 自己理解の深化
  • 実習経験の積み重ね

これらが、結果的に 就職後の安定につながります。

③ 定着支援まで見据えて考える

就労移行支援は、就職して終わりではありません。
定着支援をうまく使うことで、

  • 職場での困りごとの整理
  • 体調悪化の予防
  • 長期就労の実現

が可能になります。

まとめ|就労移行支援は「意味ない」かどうかは使い方次第

就労移行支援は、誰にとっても万能な制度ではありません。

しかし、

  • 自己理解を深めたい
  • 働き続ける力を身につけたい
  • 一人での就職活動に不安がある

そう感じている方にとっては、これ以上ないほど意味のある制度にもなります。

「意味ない」と切り捨てる前に、“どう使うか”を一度考えてみましょう。

同じ時間を使うのであれば、意味のある使い方に変えることで、ご自身の未来を切り開くことに繋がります。

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