ADHD(注意欠如・多動症)の特性を持つ人にとって、仕事中のミスや抜け漏れは大きな悩みのひとつです。
「集中できない」「忘れっぽい」「段取りが苦手」などの課題は、本人の努力不足ではなく脳の特性によるもの。
この記事では、ADHDの人が仕事でのミスを減らし、安心して働ける環境を整えるための具体的な方法を紹介します。
ADHDの人がミスを減らすための対処法10選!
私は就労支援員として発達障害の人の就職サポートなども行っていますが、その中でもミスを減らすために有効な対処法を10個に厳選しました。
発達障害の一つで、不注意、多動性、衝動性といった特徴がみられる。症状自体は子供の頃があっても、自身がADHDだと認識したり病院で診断を受けるのは大人になってからの方も多い。
1. ADHDの特性を理解することが第一歩
まずは、自分自身の特性を正しく理解することが重要です。ADHDの人は、注意力が散漫になりやすく、複数の情報を同時に処理するのが苦手な傾向があります。
これは「怠けている」わけではなく、脳の情報処理の仕組みによるもの。自分の傾向を知ることで、どんな場面でミスが起きやすいかを把握し、対策を立てやすくなります。
2. ミスを防ぐための環境づくり
集中力を保つためには、作業環境の整備が欠かせません。デスク周りに物が多いと視覚的なノイズとなり、注意が逸れやすくなります。必要最低限のものだけを置き、定位置を決めて整理整頓しましょう。また、可能であれば静かな作業スペースを確保することで、外部刺激を減らし集中しやすくなります。
ADHDの人は物を紛失しやすいのも特徴。「物の置き場所決める」「余計なものを置かない」
3. タスク管理を「見える化」する
頭の中だけでタスクを管理しようとすると、抜け漏れや優先順位の混乱が起きやすくなります。ToDoリストやスケジュールを紙やデジタルツールで「見える化」することで、やるべきことが明確になります。
GoogleカレンダーやTrelloなどのツールを活用すれば、視覚的に整理されたタスク管理が可能です。
4. 作業を細分化して「一つずつ」こなす
大きな仕事を一気にこなそうとすると、混乱やストレスの原因になります。作業を細かく分けて「今やるべきこと」を明確にすることで、集中力が持続しやすくなります。
例えば「資料作成」ではなく「タイトルを決める」「構成を考える」「図表を作る」など、ステップごとに分けて取り組みましょう。
5. リマインダーやタイマーを活用する
時間管理が苦手な場合は、外部ツールの力を借りるのが効果的です。スマホやPCのリマインダー機能を使えば、予定や締切を忘れるリスクを減らせます。
ポモドーロ・テクニック(25分作業+5分休憩)と呼ばれ、25分作業するごとに5分間休憩を取ると高い集中力を維持できると推奨されている。
私もYouTubeを活用しながら休憩を入れています。
実際に私が利用させていただいているYouTube↓↓
6. 定型業務は「仕組み化」して習慣にする
毎日繰り返す業務は、ルーティン化することでミスを減らせます。チェックリストを作成したり、テンプレートを用意することで、確認漏れや手順の抜けを防げます。例えば「朝礼が終わったらメールチェック」「昼休憩後は最初にデータ入力」など、毎日の仕組みとして定着させることがポイントです。
また、ルーティン化することについては前回の記事にも記載しています。
7. 周囲とのコミュニケーションでミスを減らす
自分だけで完璧にこなそうとせず、周囲との連携を意識することも大切です。報連相(報告・連絡・相談)をこまめに行うことで、認識のズレや誤解を防げます。
「念のため確認させてください」と一言添えるだけでも、ミスの予防につながります。
特にADHDの方は急いで作業しようとしたり早く完了しようとしがちですが、その分ミスや勘違いしていることも多いです。そのため、作業開始する前にもやり方を確認することでミスを防げます。
8. 自分を責めず、改善を楽しむ姿勢を持つ
ミスをしてしまったとき、自分を責めすぎないことも重要です。ADHDの特性を持つ人は、完璧主義になりすぎると逆にストレスが増してしまいます。
「昨日より少し良く」を目指すことで、前向きに改善を続けられます。ミスは「改善のヒント」と捉え、成長のきっかけにしましょう。
9.脳疲労を減らす
現代ではスマホやゲーム、SNSなど毎日利用されますが、実はこれが業務に支障が出ていることも多いです。
周りもスマホを使っているため気づきにくいのですが、実はADHDの人は特に脳が疲れやすい傾向があります。
私が支援してきた方もなぜか一日中寝てしまうことが止められなかったのですが、ゲーム時間を制限することで日々のパフォーマンスが格段に上がりました。
10.必ず相談する
仕事やプライベートでミスが続く場合、一人で抱え込まないことが大切です。
誰でも自分だけの考えだと視野が狭くなります。
上司や同僚、もしくは支援者や医療など、人に相談することで新しい方法や手順など発見があります。
実際、ADHDの人で作業手順を変えただけでミスが8割減った方もいたので、自身に合う方法を見つけることが大切です。
また、もし近くに支援者や相談先がない場合は政府広報オンラインにも様々な相談窓口が記載されているので見てみましょう。
参考:発達障害に気付いたら?大人になって気付いたときの専門相談窓口
まとめ:ADHDの特性に合わせた工夫で仕事のミスは減らせる
ADHDの人が仕事でミスを減らすためには、「努力」よりも「仕組み」と「環境」が鍵になります。
注意力や記憶力に頼るのではなく、タスクの見える化やルーティン化、ツールの活用など、外部の力を借りることで安定した成果につながります。自分の特性を否定せず、受け入れたうえで工夫を重ねることが、働きやすさと自信の回復につながります。小さな改善を積み重ねながら、無理なく前進していきましょう。