頭の中がごちゃごちゃ」を防ぐ!発達障害者向けメモ術と実践例

思考が混乱している若者が、メモで情報を整理しようとしているイラスト。

発達障害のある方にとって、日々の情報や予定、思考が頭の中で絡まりやすく、「何から手をつければいいか分からない」「やるべきことを忘れてしまう」といった悩みを抱えることが少なくありません。


これは決して怠けているわけでも、能力が低いわけでもありません。脳の情報処理の特性によって、複数の情報を同時に整理するのが難しいことが原因です。


そこで今回は、「頭の中のごちゃごちゃ」を防ぐためのメモ術を紹介します。

私は現役で毎日発達障害や精神障害の方の支援を行っているため、実際に現場で支援している視点から、すぐに使える具体例も交えて解説します。

目次

メモ術の基本:目的は「頭の外に出す」こと

メモは「記録」ではなく「思考の整理」

メモというと「忘れないために書くもの」と思われがちですが、発達障害のある方にとっては「頭の中の情報を外に出して、見える形にする」ことが最大の目的です。

メモの効果

  • 頭の中の情報を可視化できる
  • 優先順位がつけやすくなる
  • 不安や焦りが軽減される
  • 行動に移しやすくなる

おすすめメモ術3選

①「やることメモ」:ToDoリスト形式

やるべきことを箇条書きで書き出すだけでも、頭の中が整理されます。以下のような形式がシンプルで使いやすいです。

スクロールできます
やること期限優先度完了チェック
市役所に書類提出8月28日
病院の予約8月30日
洗濯今日
支援員

私が支援している発達障害の方はメモが苦手な方も多いです。そのため、まずはやることだけメモするシンプルな方法から始めることもあります。

②「頭の中メモ」:思考の棚卸し

何がごちゃごちゃしているのかをそのまま書き出す方法です。ルールはありません。とにかく「思っていること」「気になっていること」を書き出します。

  • 明日の面接が不安
  • 洗濯物たまってる
  • ブログ更新したいけどネタがない
  • 友達にLINE返してない

スマホでもノートやメモ帳でもOK

③「見える化メモ」:付箋や色分けで視覚的に整理

付箋や色ペンを使って、情報を分類・整理する方法です。視覚的に分かりやすくなることで、混乱が減ります。
おすすめの色分け例:

用途
緊急・重要
予定・スケジュール
習慣・ルーティン

※色を使いすぎると管理ができなくなるため、3色程度など自分ルールを作っておくことがおすすめです。

実践例:支援現場での活用ケース

支援員

私が実際に支援してきた発達障害の方のケースを紹介します。

ケース①:利用者Aさん

Aさんは「やることが多すぎて、何から始めればいいか分からない」と悩んでいました。支援者と一緒にToDoリストを作成し、優先順位をつけることで、行動に移しやすくなりました。

改善前
  • 頭の中で「やらなきゃ」と思っているだけで、行動に移せない
  • 不安が募り、自己否定につながる
改善前
  • メモで「やること」が明確になり、達成感が得られる
  • 支援者との相談もスムーズになった

ケース②:利用者Bさん

Bさんは「考えすぎて眠れない」という悩みを抱えていました。夜に3行日記を実施し、「頭の中メモ」を書き出す習慣をつけたことで、睡眠の質が改善しました。


支援員

たくさんメモを取ろうと思うと続かないのですが、3行だけとなると継続されていました。

改善前
  • 頭の中でぐるぐる考え続けてしまう
  • 翌朝も疲れが残る
改善前
  • 書き出すことで思考が整理され、安心して眠れる
  • 翌朝の行動もスムーズになった

メモ術を続けるコツ

①完璧を目指さない

「きれいに書かなきゃ」「全部書かなきゃ」と思うと続きません。思いついたことを、思いついたまま書いてOKです。特にADHDやASDなどの発達障害の方にはメモをきれいに書けないことも多く、短い単語だけでもOKです。

②日付を記入する

私が支援してきた方の多くは日付を書く習慣がなく、「いつ」「どこにメモしたか分からない」と悩んでいました。

そこで、メモの左上に必ず日付を書くことで、見やすく改善されました。

③自分に合った形式を見つける

紙でもスマホでも、付箋でもノートでも、自分が使いやすい方法を選びましょう。

まとめ:メモは「自分を助ける道具」

発達障害のある方にとって、メモは単なる記録ではなく「思考の整理」「不安の軽減」「行動のきっかけ」となる大切なツールです。


ごちゃごちゃした頭の中を、少しずつ「見える化」していくことで、日々の生活がぐっと楽になります。まずは1枚の紙から、気軽に始めてみてください。

おまけ:おすすめメモツール一覧

発達障害の方にもおすすめのメモ方法(ツール)を紹介します。

支援員

GoogleKeepは無料で利用でき、私も初めて存在を知ってからずっと活用しています。

ツール名特徴おすすめ度
Google KeepスマホとPCで同期可能。色分けも簡単。★★★★★
付箋紙(紙)視覚的にわかりやすく、すぐ貼れる。★★★★☆
手帳・ノート自由度が高く、思考の整理に最適。★★★★☆
Notionカスタマイズ性が高く、複雑な管理も可能。★★★☆☆

GoogleKeepはGoogleのアカウントさえ作れば誰でも使用することができます。

メモを色付けしたり、カテゴリに分けたり、移動やリマインダーなど簡単に設定することができてとても便利です。

発達障害の方は忘れ物が多いと言われますが、工夫することで軽減したり予防に繋がります。

以下の記事もおすすめです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次