AP100は初心者でも使えるCADなのか?
AP100を業務で使用して5年以上経つので、「CAD初心者でも使えるのか」やそもそもAP100ってどんなことができるの?
ということを解説します。
AP100ってなに?
AP100とは、株式会社アマダが提供している板金に特化したCADです。
CADと言っても図形を描くだけはなく、様々な機能が付属しています。
個人的には3DCADと呼ばれるソリッドワークスやシートワークスよりも断然おすすめですが、
どんなことをするCADか解説します。
AP100ってどんなことができる?
AP100では「展開図や図形」といった設計的な機能はもちろんのこと、立体図を見たり現場用のプログラムも作れます。
僕が働いている会社では、設計部門が「AutoCAD」で図面を書き、生産技術が「AP100」を使って展開、プログラム作成しています。
他の会社でも設計者とAP100を使う人は分かれていることが多いようです。
AP100を使用することが多い生産技術は、現場と設計者の中間の位置になります。
主に設計者が書いた図面を元に、現場で曲げが可能かなど判断し、コスト面などを下げた構造なども考えます。
(ノウハウは学校ではなく現場でしか学べない)
展開図や図形ができる
展開図はさいころでいうとこんなやづです↓↓
AP100の一番の基本はCADによる図形作成と展開作業です。
AP100は板金業務を行う企業で使用されることが多いのですが、BOXなどを制作するときには図形を展開し、一枚の板の形にしなければいけません。
そして、展開図を作る時の曲げの長さや角度はフォームで入力するだけなので簡単です。
立体図で干渉チェックが見れる
AP100は基本的に2Dで図形を作成しますが、なんと立体図が見れる優れものです。
僕が入社当時イメージがつかめず苦労したので、この立体図の機能には助けられました。
また、展開図を作るときは板の厚み分ひかないと干渉するのですが、それも立体図で簡単に修正できます。
初心者にとって立体図が見れるのは本当に便利です
吉良
現場用プログラムが作れる
展開図を作成した後は、タレパン(金型で抜いていく機械)やレーザー、複合機といった機械で板を抜いていきます。
複合機はタレパンもレーザーも両方できる機械ですが、購入時の金額が高いというデメリットがあります。
タレパンやレーザーで抜くには本来なら細かいプログラムを作成しなければいけないのですが、実はAP100で簡単に作れます。
CADCAMの「CAM」に当たるのが金型割付という作業で、金型割付はすごく簡単です。
上記の黄色の部分が金型で割り付けた部分であり、金型を指定してクリックするとプログラムが自動で作られます。
なので、求人でプログラマーとか書かれていてもJavaやPHPのような専門知識は全く必要ありません。
自動ネスティング作成
CAMで作られるのは一つの部品に対して一つのプログラムです。
そして、実際で現場で板を抜くときは複数の部品を板に入れて抜いていきます。
その一枚の板にハメ込んでいく作業をネスティングと言います。
AP100ではWINNESTと呼ばれる自動ネスティングするソフトがあり、これを使えば板金知識が苦手な女性でも使いこなせます。
(※WINNESTは会社によってないところもあります。)
僕が勤務している会社では、ネスティング専門でやっていた女性は15年以上勤務してても板金の知識が素人という状態の人なので、初心者でもできます。
AP100はCAD初心者でも使えるのか
結論を言うと、初心者でもすぐにできます。
僕の場合はCADの経験ゼロで、パソコンスキルもまったくない状態で入社したのに簡単でした。
入社初日から簡単な図形を作成したり実務もこなしていきました。
操作は3ヶ月で使える
AP100の操作は正直1カ月経てば結構できます。
3カ月もすれば、よく使う操作は一通りできるぐらいです。
なので、初心者の方はAutoCADよりもAP100の方が覚えやすいんじゃないかというぐらい使いやすいです。
3DCADより簡単
最近では3DCADが流行ってきているのですが、3DCADは難しいです。
3DCADが操作を覚えるのに1年かかるとしたら、AP100は3カ月でできるというぐらい難易度には差があります。
なので、もしCAD未経験OKの求人に応募するのであれば
3DCADで募集している会社よりもAP100やAutoCADを使っている会社の方がおすすめです。
ソリッドワークスやシートワークスなどの3DCADは立体で分かりやすそうなイメージがあると思いますが、3DCADでは分割線を入れたり作業する順番や作り方にコツがあったりと複雑です。
ただ精密部品のように複雑な形状であれば3DCADの方が向いています。
CAD初心者は面接時どうする?
CAD初心者によって面接ってかなり不安だと思います。
前回の記事の「現役CADオペレーターが明かすCAD未経験なのに採用された理由」でも説明しましたが、
会社によってはCADの経験を本当に気にしない会社もあります。
特にAP100で募集している会社は板金のノウハウの方が重要になるので、CADスキルはそこまで重要視されないこともあります。
向上心をアピール
板金に特化したCADなので、実はCADスキルよりも現場のノウハウの方が重要です。
そして、そのノウハウというのはどうしても「その会社」でしか学べません。
曲げれる長さの範囲や溶接穴が必要な場所など、会社によってルールが全く違います。
もちろん元々板金のスキルやCADスキルがあれば優遇はされますが、面接時に見られるのは「入社後に成長するか」です。
会社のノウハウやルールはどんどん更新されていきますの、ずっと向上心を持ってくれそうな人材を企業は喜びます。
協調性をアピール
AP100を使う方は、基本的には曲げ工程や溶接作業の方の意見を聞くことが多いです。
これはどんなに経験を積んだベテランでも現場に相談することなので、人との最低限のコミュニケーションは発生します。
なので、面接時には「現場の人間や先輩の意見を聞いて協力できるか」などの協調性を見られます。
面接時にはかなりの確率で見られるので、ここをアピールできれば採用される可能性が上がります。
本当に初心者OKか調査する
初心者でもAP100は簡単というのが僕の意見ですが、やはりあなたが応募しようとする会社がどんな会社か調べるのは重要です。
- 会社の教育方針はどうか
- 採用基準はどうか
- 本当に初心者でも採用される会社か
- 現場の経験は必要なのか
転職エージェントであれば企業の人事の方と直接話していることが多いので、詳細を聞いたら答えてくれます。
それに、僕が入社した会社はハローワークには載っていない企業でした。
転職エージェントは無料で登録できますし、ハローワークに載っていない非公開求人がほとんどです。
興味のある方は登録だけでもしておきましょう。
この記事ではAP100は初心者でも使えるCADなのかについてお話しました。
僕はCAD初心者でパソコンスキルがなくてもできたぐらいなので、初心者でも使えるCADです。
難しく考えなくても直感的に使えるので、「CADなんかやったことがない」という人でも挑戦できる仕事です。
- AP100は初心者でも使いやすい
- 板金に特化したCAD
- プログラムも自動でできる
- 板金ノウハウは実際の会社で学ぶ
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