転職活動や就職活動を始めると、多くの方が最初に悩むのが履歴書や職務経歴書の書き方です。
特に障害者雇用では、
「障害についてどこまで書けばいいの?」
「志望動機はどう書けばいい?」
「職務経歴書に配慮事項を書くべき?」
など、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
私は就労移行支援や定着支援の現場で、多くの利用者さんの履歴書・職務経歴書の添削を行ってきました。
その中で感じるのは、「採用される書類」には共通するポイントがあるということです。
逆に、少し書き方を変えるだけで企業からの印象が大きく変わるケースも少なくありません。
この記事では、現役支援員の視点から、
- 障害者雇用で評価される履歴書の書き方
- 職務経歴書の作成ポイント
- 志望動機・自己PRの例文
- 採用担当者が見ているポイント
を分かりやすく解説します。
障害者雇用では履歴書・職務経歴書が重要な理由
障害者雇用では、一般雇用以上に履歴書や職務経歴書が重要になります。
支援員なぜなら企業は、「何ができるか」だけではなく、「どのような配慮があれば長く働けるか」も確認したいと考えているからです。
そのため、単に経歴を書くのではなく、自分の強みや働き方を伝えることが大切です。
企業が書類で確認しているポイント
| 確認していること | 企業が知りたい内容 |
|---|---|
| 職務経験 | どのような仕事を経験してきたか |
| 自己理解 | 得意・苦手を理解しているか |
| 障害理解 | 必要な配慮を説明できるか |
| 定着可能性 | 長く働けそうか |
自己理解については『自己理解』の深め方。就労移行支援を使い倒すコツで詳しく解説しています。
履歴書を書く前に整理しておくべきこと
履歴書を書き始める前に、まずは自分自身を整理しましょう。
書き始めてから悩むよりも、先に整理しておくことでスムーズに作成できます。
整理しておきたい項目
- これまで経験した仕事
- 得意な業務
- 苦手な業務
- 障害特性
- 配慮してほしいこと
- 体調管理の方法
- 仕事で大切にしたいこと
支援員として感じるのは、この整理が十分にできている方ほど、面接でも落ち着いて話せる傾向があります。


履歴書の各項目の書き方



履歴書は、企業へ自分を紹介する最初の書類です。
誤字脱字がないことはもちろんですが、読みやすく簡潔にまとめることも大切です。
① 学歴・職歴
時系列で正確に記載しましょう。
職歴では会社名だけでなく、担当していた仕事内容も簡単に書くとイメージが伝わりやすくなります。
株式会社〇〇 入社
一般事務としてデータ入力・書類作成・電話応対を担当
② 資格・免許
取得している資格は積極的に書きましょう。
仕事に直接関係がない資格でも、学習意欲をアピールできます。
- MOS(Microsoft Office Specialist)
- 日商簿記3級
- ITパスポート
- 普通自動車第一種運転免許
③ 本人希望欄
本人希望欄は、希望条件を多く書く場所ではありません。
基本的には、
「貴社の規定に従います」
と記載し、必要な配慮事項のみを簡潔に書きます。
勤務条件につきましては貴社規定に従います。



障害特性や配慮について書類で渡すときは、別紙で準備するのがおすすめです。
④ 障害について書く場合
企業によっては障害内容を記載する欄があります。
その場合は診断名だけを書くのではなく、
- 現在の体調
- 通院状況
- 服薬状況
- 必要な配慮
を簡潔にまとめることが重要です。
発達障害(ASD)の診断を受けています。
現在は月1回通院し、服薬により体調は安定しています。
業務指示を文書でもいただけると、より正確に業務へ取り組めます。
また、合理的配慮についてはとても難しいため、以下の記事も見てみましょう。


志望動機の書き方【例文付き】
障害者雇用では、
「障害があるから働きたい」
ではなく、
を書くことが大切です。
志望動機の基本構成
| 順番 | 内容 |
|---|---|
| 順番 | 内容 |
| ① | 応募した理由 |
| ② | 経験や強み |
| ③ | 企業でどのように貢献したいか |
例文
貴社が障害者雇用に積極的に取り組まれていることに魅力を感じ、応募いたしました。
前職では一般事務としてデータ入力や書類作成を担当し、正確性を評価していただいていました。
障害特性により口頭指示だけでは理解が難しい場面がありますが、メモやチャットなどを活用することで安定して業務を行えています。
これまでの経験を活かし、貴社でも正確で丁寧な仕事を心掛け、長く働き続けたいと考えています。
自己PRを書くときのポイント
自己PRでは、「長所」だけを書くのではなく、仕事でどのように活かせるかまで伝えましょう。
良い自己PRの例
| NG例 | OK例 |
|---|---|
| 几帳面です。 | 前職ではデータ入力業務を担当し、入力ミスが少ない点を評価されていました。 |
| 真面目です。 | 決められた手順を守り、期限内に仕事を進めることを心掛けています。 |



支援員として採用担当者からよく聞くのは、「抽象的な表現よりも具体的なエピソードがある方が印象に残る」という声です。
面接につながる履歴書・職務経歴書にするためのポイント
履歴書や職務経歴書は、書類選考を通過することだけが目的ではありません。
面接につながり、その後の採用につながる内容になっているかが重要です。
現場で多くの企業担当者と話してきましたが、企業が見ているポイントは共通しています。
- どんな人なのか
- どんな仕事ができるのか
- 長く働けそうか
- 自社で活躍できそうか
つまり、「自分が伝えたいこと」ではなく、「企業が知りたいこと」を意識して書くことが大切です。
① 内容に一貫性を持たせる
履歴書・職務経歴書・面接で話す内容が違ってしまうと、企業は不安になります。
例えば、
- 履歴書では「接客が好き」と書いている
- 職務経歴書では事務職希望になっている
- 面接では「人と話すのが苦手」と答えている
このような状態では、一貫性がありません。
多少表現が違っても構いませんが、
「どんな仕事をしたいのか」
「なぜその仕事なのか」
この軸は統一しておきましょう。
② 数字や実績を入れる
抽象的な文章よりも、具体的な数字がある方が説得力が増します。
| 改善前 | 改善後 |
|---|---|
| 接客を担当しました。 | 1日平均80名のお客様対応を担当しました。 |
| 売上に貢献しました。 | 担当商品の売上が前年より15%向上しました。 |
| 事務作業をしていました。 | 1日約100件のデータ入力を担当しました。 |
数字がない場合でも、
- 担当件数
- 作業時間
- 担当人数
- 改善した内容
などを書くだけで印象は大きく変わります。
③ 配慮事項は前向きに伝える
障害者雇用では、合理的配慮を書く場面があります。
しかし、
「できません」
だけを書いてしまうと、企業は不安になります。
おすすめは、
- 困ること
- 必要な配慮
- 自分でも工夫していること
この3点をセットで伝えることです。
例えば、
「口頭のみの指示では理解に時間がかかるため、メモやチャットでも共有いただけると助かります。自分でも復唱やメモを取るよう心掛けています。」
このように書くと、企業側も安心して受け止めやすくなります。


書類作成でよくある失敗例
支援現場でも、多くの方が同じような失敗をしています。
事前に知っておくだけでも改善できます。
| 失敗例 | 改善方法 |
|---|---|
| 文章が長すぎる | 1文を短くする |
| 仕事内容しか書いていない | 成果や工夫を書く |
| 誤字脱字が多い | 第三者に確認してもらう |
| 履歴書と職務経歴書で内容が違う | 内容を統一する |
| 企業ごとに内容を変えていない | 応募先に合わせて修正する |
就労移行支援を活用すると書類作成が楽になる理由
就労移行支援では、履歴書や職務経歴書の添削を何度でも受けられる事業所が多くあります。
また、
- 自己分析
- 職歴整理
- 志望動機作成
- 模擬面接
- 企業ごとの応募書類添削
まで一緒に行ってくれます。
実際に私も支援員として、多くの利用者さんと何度も書類を修正してきました。
最初はA4用紙1枚を書くことすら苦労していた方でも、添削を重ねることで企業から高く評価される応募書類に仕上がったケースは数多くあります。
また、就労移行を利用するか悩んでいる方は就労移行支援を利用するべき人・利用しなくてもいい人|現役支援員が本音で解説の記事も見てみましょう。
まとめ|履歴書・職務経歴書は「自分を知ってもらう資料」
履歴書・職務経歴書は、単に職歴を書く書類ではありません。
企業に対して、
- どんな経験があるのか
- どんな仕事ができるのか
- どんな配慮があると力を発揮できるのか
- 長く働けそうか
を伝えるための大切な資料です。
特に障害者雇用では、スキルだけでなく「自己理解」と「配慮事項を適切に伝えられるか」が評価されることも少なくありません。
一人で書類を作るのが難しい場合は、就労移行支援やハローワーク、転職エージェントなどの支援を活用することも大切です。
何度も添削を受けながら改善することで、書類選考の通過率だけでなく、その後の面接でも自信を持って話せるようになります。
焦って完成させるのではなく、一つひとつ内容を見直しながら、自分らしさが伝わる応募書類を作っていきましょう。
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