障害者雇用の試用期間とは?本採用されるために知っておきたいポイントを支援員が解説

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「障害者雇用でも試用期間はあるの?」「試用期間中に本採用されないことはある?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

内定をもらっても、「試用期間を無事に終えられるだろうか」「体調を崩さず働けるだろうか」と心配になる方は少なくありません。

私はこれまで就労移行支援や就労定着支援の現場で、多くの方の就職から職場定着まで支援してきました。

その中で感じるのは、本採用される方には共通する特徴があり、反対に試用期間中につまずいてしまう方にもいくつか共通点があるということです。

この記事では、障害者雇用における試用期間の基本や、本採用されるために意識したいポイントを支援員の視点から詳しく解説します。

目次

障害者雇用でも試用期間はある?

支援員

結論から言うと、障害者雇用でも試用期間を設けている企業は多くあります。

試用期間とは、企業と本人がお互いに「この職場で長く働けそうか」を確認するための期間です。

一般的には3か月から6か月程度に設定されている企業が多く、仕事内容や企業によって異なります。

試用期間中も正式な労働契約を結んで働くため、給与や社会保険などの条件は通常どおり適用されることがほとんどです。

試用期間の目的

試用期間は、企業だけが応募者を評価する期間ではありません。

本人にとっても、「この職場は自分に合っているか」を確認する大切な期間です。

企業と本人、それぞれの目的をまとめると次のようになります。

企業側本人側
仕事への適性を確認する仕事内容が自分に合うか確認する
勤務態度を確認する職場の雰囲気を知る
体調が安定しているか確認する無理なく働けるか確認する
コミュニケーションを確認する相談しやすい環境か確認する

つまり、試用期間は「評価される期間」というより、「お互いに相性を確認する期間」と考えるとよいでしょう。

試用期間で企業が見ているポイント

「仕事が完璧にできるか」を心配される方もいますが、企業が見ているのはそれだけではありません。

実際には、次のような点を総合的に見ています。

  • 毎日安定して出勤できているか
  • 遅刻や欠席が少ないか
  • 分からないことを相談できるか
  • 指示を理解しようとする姿勢があるか
  • 職場のルールを守れているか
  • 周囲と協力しながら働けているか

最初から完璧な仕事を求めている企業は多くありません。

むしろ、「成長しようとする姿勢」や「報告・連絡・相談ができるか」を重視している企業が多い印象です。

本採用される人の特徴① 分からないことをそのままにしない

支援員として多くの利用者さんを見てきましたが、本採用される方は「質問すること」をためらいません。

例えば、次のような行動ができています。

  • 仕事で迷ったら確認する
  • メモを取りながら仕事を覚える
  • ミスを隠さず報告する
  • 仕事が終わったら報告する

反対に、「迷惑をかけたくない」と思って一人で抱え込み、ミスが大きくなってしまうケースもあります。

相談することは評価を下げることではありません。

企業からすると、「困ったときに相談できる人」の方が安心して仕事を任せられることが多いのです。

本採用される人の特徴② 生活リズムが安定している

障害者雇用では、仕事のスキルだけでなく、毎日安定して勤務できることも重要です。

特に精神障害や発達障害のある方は、生活リズムが乱れることで体調にも影響が出やすくなります。

本採用される方は、次のようなことを意識しています。

  • 決まった時間に起きる
  • 十分な睡眠を取る
  • 休日も生活リズムを大きく崩さない
  • 体調が悪いときは早めに相談する

企業は「この先も安定して働けそうか」という視点で見ているため、生活リズムを整えることは本採用への大きなポイントになります。

本採用される人の特徴③ 報告・連絡・相談(報連相)ができる

試用期間中は、新しい仕事や環境に慣れるまで分からないことが多くあります。

そのため、企業は「困ったときに相談できるか」を重視しています。

本採用される方は、次のような行動が自然にできています。

  • 仕事の進み具合を報告する
  • 分からないことを早めに質問する
  • ミスを隠さず相談する
  • 体調の変化を早めに伝える

一方で、「迷惑をかけたくない」という思いから何も言わずに抱え込んでしまうと、問題が大きくなってしまうことがあります。

支援員

支援員として企業と関わる中でも、「相談してくれる人の方が安心して任せられる」という声をよく耳にします。

本採用される人の特徴④ 配慮事項を上手に活用している

障害者雇用では、配慮を受けながら働くことは特別なことではありません。

しかし、「配慮を受けるだけ」ではなく、自分でも工夫しながら働く姿勢が大切です。

例えば、次のような工夫をしている方は、企業からも前向きな印象を持たれやすくなります。

  • メモを活用する
  • チェックリストを作る
  • スケジュール管理を行う
  • 疲れがたまる前に相談する

企業は「配慮が必要かどうか」ではなく、「配慮を受けながら長く働けるか」を見ています。

また、メモについては以下の記事もおすすめです。

本採用される人の特徴⑤ 完璧を目指しすぎない

試用期間中は、「早く仕事を覚えなければ」と焦る方も多くいます。

しかし、最初から完璧を目指しすぎると、疲れがたまりやすくなり、体調を崩す原因になることもあります。

実際に長く働いている方ほど、次のような考え方をしています。

  • 分からないことは質問する
  • 一つずつ仕事を覚える
  • できなかったことより、できたことに目を向ける
  • 無理をしすぎない

試用期間は「成果を出す期間」ではなく、「職場に慣れる期間」と考えることが大切です。

試用期間中に気を付けたいこと

試用期間中は、次のような点を意識すると安心です。

意識したいこと理由
遅刻・欠席を減らす安定して勤務できることを示すため
報連相を行う信頼関係を築くため
体調管理を優先する長く働くため
分からないことは質問する仕事を正しく覚えるため
無理をしすぎない体調悪化を防ぐため

どれも特別なことではありませんが、毎日の積み重ねが本採用につながります。

もし本採用されなかったら?

試用期間中に本採用とならなかった場合、「自分には働く能力がない」と落ち込んでしまう方もいます。

しかし、本採用にならなかった理由は一つではありません。

例えば、次のようなケースもあります。

  • 仕事内容との相性が合わなかった
  • 体調が十分に安定していなかった
  • 企業が求める業務内容と合わなかった
  • 職場環境との相性が合わなかった

支援員として感じるのは、一社でうまくいかなかったからといって、その後も働けないということは決してないということです。

大切なのは、「なぜうまくいかなかったのか」を振り返り、次の就職活動に活かすことです。

また、もし次の就職活動に進む場合は、振り返りなど準備もしっかりしておくことで次に繋がります。具体的な手順は以下の記事でまとめています。

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支援員からのアドバイス

試用期間は「評価される期間」ではなく、「お互いを知る期間」と考えてみてください。

私が支援してきた利用者さんの中にも、「試用期間だから完璧にしなければ」と頑張りすぎてしまい、体調を崩した方がいました。

一方で、分からないことは素直に質問し、困ったことは早めに相談しながら働いていた方は、結果として長く安定して勤務されています。

企業も最初から完璧を求めているわけではありません。焦らず、一歩ずつ仕事や環境に慣れていくことが、本採用への近道です。

よくある質問(Q&A)

Q&A

障害者雇用でも試用期間で解雇されることはありますか?

試用期間中であっても、簡単に解雇できるわけではありません。労働契約法などのルールがあり、客観的で合理的な理由が必要です。ただし、勤務状況や適性などを踏まえて本採用に至らないケースはあります。

試用期間中に配慮事項を相談しても大丈夫ですか?

はい。むしろ、困りごとを早めに相談することで、企業も適切な配慮を検討しやすくなります。

試用期間がで解雇されるとき、ぎりぎりまで分からないものですか?

支援員がついている場合、事前に分かることも多いです。例えば休みが多く続いていて解雇となる場合、企業側も支援員に先に伝えていることが多いです。

試用期間中は無理をした方がいいですか?

無理を続けると、試用期間後に体調を崩してしまうことがあります。長く働くことを考え、自分のペースを大切にしましょう。

まとめ|試用期間は長く働くための準備期間

障害者雇用でも、多くの企業で試用期間が設けられています。

しかし、試用期間は「企業が一方的に評価する期間」ではなく、「企業と本人がお互いに相性を確認する期間」でもあります。

毎日安定して出勤すること、報告・連絡・相談を心掛けること、無理をしすぎず体調を管理することが、本採用につながる大切なポイントです。

焦って完璧を目指す必要はありません。一歩ずつ仕事や職場に慣れ、自分らしく働ける環境を築いていきましょう。

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