「障害者雇用なら採用されやすいと思っていたのに、何社受けても不採用になる…」「何が原因なのか分からない」と悩んでいませんか。
障害者雇用では、一般雇用と比べて配慮を受けながら働ける環境が整っています。しかし、それでも必ず採用されるわけではありません。
私はこれまで就労移行支援・自立訓練・定着支援の現場で、多くの企業面接や職場実習に同行してきました。
その中で感じるのは、不採用になる方にはいくつか共通する特徴があるということです。
ただし、それは「能力が低い」という意味ではありません。企業との相性や準備不足、伝え方など、改善できるポイントであることも多くあります。
この記事では、支援員として現場で感じた「障害者雇用で不採用になりやすい理由」と、その改善方法を詳しく解説します。
障害者雇用で不採用になるのは珍しいことではない
まず知っておいていただきたいのは、不採用になること自体は決して珍しいことではありません。
企業は応募者一人ひとりを総合的に評価して採用を決定します。
募集人数が1~2名という求人も多く、応募者が複数いれば採用されない方がいるのは自然なことです。
支援員そのため、一度不採用になったからといって、「自分には価値がない」と考える必要はありません。
大切なのは、不採用だった理由を振り返り、次の面接につなげることです。
不採用になる理由① 自己理解が十分ではない
企業は、障害そのものよりも「どのような環境なら力を発揮できるのか」を知りたいと考えています。
しかし、自分の得意・不得意や必要な配慮を説明できないと、企業も採用後の働く姿をイメージしにくくなります。
例えば、面接で次のような質問を受けることがあります。
- どのような業務が得意ですか。
- 苦手なことはありますか。
- どのような配慮があると働きやすいですか。
- 体調が悪くなる前兆はありますか。
これらに具体的に答えられるよう、自分自身を整理しておくことが大切です。
自己理解を深める方法については、「リフレクションがキャリアを変える!学びを成果に変える方法」の記事も参考にしてください。
不採用になる理由② 配慮事項をうまく伝えられない
合理的配慮をお願いすることは決して悪いことではありません。
しかし、「配慮してください」とだけ伝えてしまうと、企業はどのような対応をすればよいのか判断できません。
採用されやすい方は、次の3点をセットで説明しています。
| 説明する内容 | 具体例 |
|---|---|
| 困る場面 | 電話が重なると混乱しやすいです。 |
| 必要な配慮 | 最初は電話対応を少なくしていただけると助かります。 |
| 自分の工夫 | メモを取りながら確認するようにしています。 |
企業は「配慮してほしいこと」だけではなく、「本人も工夫しながら働こうとしているか」を見ています。
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不採用になる理由③ 企業研究が不足している
企業は、「なぜ当社を選んだのですか」という質問をよくします。
このときに、「家から近かったから」「求人が出ていたから」といった理由だけでは、志望意欲が伝わりにくくなります。
面接前には、少なくとも次の内容を確認しておきましょう。
- 会社の事業内容
- 仕事内容
- 企業理念
- 障害者雇用への取り組み
- 勤務地や勤務時間
「障害者雇用の求人票の見方|応募前に確認すべき10のポイント」の記事でも詳しく解説していますが、求人票の見るときはポイントを押さえることが大切です。
不採用になる理由④ 生活リズムが安定していない
障害者雇用では、仕事の能力だけではなく、継続して勤務できるかどうかも重視されています。
そのため、次のような状態が続いている場合は、不採用につながることがあります。
- 遅刻や欠席が多い
- 昼夜逆転している
- 体調が不安定で活動日数が少ない
- 通勤が難しい状況である
支援員として企業担当者と話していると、「能力は十分でも、まずは生活リズムを整えてから応募した方がよいかもしれません」という意見を聞くことがあります。
焦って応募するよりも、生活リズムを整えたうえで就職活動を始める方が、結果的に採用につながりやすくなります。
不採用になる理由⑤ 報告・連絡・相談(報連相)が十分にできていない


企業は、「仕事ができる人」だけではなく、「困ったときに相談できる人」を求めています。
障害者雇用では、体調の変化や仕事上の困りごとを早めに相談できることが、長く働くためにとても重要です。
例えば、次のような行動ができる方は企業から安心感を持たれやすくなります。
- 分からないことをそのままにせず質問する
- 仕事が終わったら報告する
- ミスを隠さず相談する
- 体調が悪いときは早めに伝える
一方で、「迷惑をかけたくない」という思いから一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。
しかし、企業からすると、相談がないまま仕事が進まなかったり、体調が悪化したりする方が大きなリスクになります。
「相談すること」は評価を下げることではありません。むしろ、自分の状態を適切に伝えられることは、社会人として大切な力です。
不採用になる理由⑥ 面接準備が不足している
面接では、緊張すること自体は問題ではありません。
しかし、準備不足のまま面接に臨むと、本来の力を十分に発揮できないことがあります。
例えば、次のようなケースです。
- 自己紹介がまとまっていない
- 志望動機が曖昧である
- 企業研究をしていない
- 逆質問を考えていない
- 配慮事項を整理できていない
面接は経験を積むことも大切ですが、事前準備によって結果が大きく変わることも少なくありません。
就労移行支援では模擬面接を実施している事業所も多いため、不安がある方は積極的に活用することをおすすめします。
また、面接後は振り返りを行うことで、次回の改善点を明確にできます。


不採用になる理由⑦ 就職を急ぎすぎている
支援員として最も多く感じるのが、「早く就職したい」という気持ちが強すぎるケースです。
もちろん就職を目指すことは大切ですが、焦って応募を繰り返すと、十分な準備ができないまま不採用が続いてしまうことがあります。
例えば、次のような状態では注意が必要です。
- 生活リズムが整っていない
- 自己理解が十分ではない
- 配慮事項を整理できていない
- 職場実習を経験していない
- 応募書類を十分に見直していない
一度立ち止まり、就職活動の進め方を見直すことで、結果的に採用につながるケースも多くあります。
不採用から採用につながった人の共通点



これまで支援してきた利用者さんの中には、何度か不採用を経験しながらも、最終的に希望する企業へ就職された方が数多くいます。
その方たちには、次のような共通点がありました。
| 改善したこと | 具体例 |
|---|---|
| 自己理解を深めた | 得意・苦手や配慮事項を整理した |
| 面接練習を重ねた | 模擬面接を繰り返した |
| 職場実習に参加した | 企業との相性を確認した |
| 生活リズムを整えた | 週5日安定して活動できるようになった |
| 振り返りを行った | 不採用の経験を次回に活かした |
不採用は決して失敗ではなく、「次に向けた改善点を知る機会」と考えることが大切です。
今日からできる改善チェックリスト
次の項目を確認し、できていない部分があれば少しずつ改善していきましょう。
- 生活リズムは安定している
- 週5日程度活動できている
- 自分の得意・苦手を説明できる
- 配慮事項を具体的に伝えられる
- 応募企業について調べている
- 模擬面接を行っている
- 面接後に振り返りをしている
- 困ったときに相談できる
- 職場実習を経験している
- 支援員と就職活動を振り返っている
まとめ|不採用は「自分に価値がない」という意味ではない
障害者雇用で不採用になる理由はさまざまですが、その多くは「能力不足」ではなく、準備不足や企業との相性、伝え方に関係しています。
自己理解を深め、生活リズムを整え、面接の準備や振り返りを行うことで、採用につながる可能性は十分にあります。
また、一人で就職活動を進めることに不安がある場合は、就労移行支援やハローワークなどの支援機関を活用することも有効です。
不採用という結果だけに目を向けるのではなく、「次にどう活かすか」を考えることが、希望する就職への第一歩になります。
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