だめな上司がしてしまう勇気くじきとは?
いつもミスした原因を追究したり説教ばかりする上司。良い上司の言葉は素直に聞くことができますが、だめな上司の場合は部下も不満を多く持ってしまいます。
心理学の中では『勇気くじき』という言葉があるため、この記事ではだめな上司が発言する勇気くじきについて紹介します。
だめな上司は多い
厚生労働省のデータによると、高卒の方が入社3年以内に辞めていく人の割合は約3割から4割ほどいます。
さらに、退職理由の上位に常にランクインするのが人間関係です。
人間関係といっても、基本的には上司や先輩の言葉が原因がほとんどです…
見習い
上司が毎日言う指導でも、部下にとってはパワハラに近いこともあります。
吉良先生
例えば「何度も言わせるな」「ミスした原因はおまえだ」などと言われると、言われた側からすると大きくモチベーションを下げます。
心理学で有名なアドラー心理学では、「困難を克服する力」を『勇気』と呼び、先ほどのような勇気を奪い取るような言葉を『勇気くじき』と呼んでいます。
勇気くじきとは?
アドラーは勇気くじきをする人を弱い人と言っています。
自分が原因ではなく他社とすることで責任逃れをしていると考えられるからです。
上司と部下で例をだすと、「このミスはおまえが引き起こしたんだから自分で何とかしろ」なんて言いますよね?
これは部下に責任を押し付けることで、その後の対処が悪くても自分の責任がこないように突き放すためです。
アドラーは「勇気くじきをする人こそ、困難を自分で克服することのできない人」だと言っています。
吉良先生
また、勇気くじきには4つのパターンがあると言われています。
勇気くじきのパターン
縦の関係での動機づけ
上司と部下のように上下関係が明確な場合です。
以下のような言葉を言われても、部下は反論できない状況になります。
- こんなことも分からないのか
- 同じミスばかりで成長しないのか
- 自分のミスなんだから自分で対処しろ
- 一から十まで言わないと分からないのか
いくら上司でもこのような言葉を言ってはいけません。
部下は仕事に対するやる気を大きく失いますし、指導するのであれば言い方を変えたり「自分も昔同じミスをしたけど、手順を変えたら改善できたよ」などとヒントを与える方が適切です。
マイナス思考
マイナス思考は周りの空気も悪化させます。
- 会社の業績が悪い…
- 俺の指導方法が悪いからいけないんだ
- 君はきっとまた失敗するよ
- それじゃぁどこに行ってもうまくやれないよ
また、マイナス思考は上司だけでなく自分も気を付ける必要があります。
例えば「今日もまた怒られる」と思って仕事をしていると、不思議とミスが増えたりします。
なので、何事もプラス思考に切り替えた方がうまくいきます。
人格否定
仕事の話だけでなく、まったく関係のないことまで全否定する上司もいます。
言われた側は仕事以外にも何もかもやる気をなくし、ひどい場合はうつ病にまで発展してしまいます。
- お前の性格ではこの先やっていけないよ
- 大学に行ったのに何の役にも立ってないね
- 会社から必要とされていないよ
- プライベートでも関わりたくない
ひどい言葉ですが、実際にこのような会話を聞いたこともあります。
同じ部署で仕事ができる方でも聞いてて嫌になるのでどんどん辞めてしまいます。上司は絶対に言ってはいけない言葉です。
原因志向
ミスした原因ばかり指摘して相手を責め立てるのが原因志向です。
「おまえのせいだ」「おまえがするからこんなミスをするんだ」「できないことをやろうとするからだ」などというように、ミスした原因ばかり追究します。
本来であればミスした本人が一番反省し、次は失敗しないように対策を考えます。
それなのに上司が悪い言い方をするとやる気を失いますので、勇気くじきとなります。
理想の上司とは
理想の上司に対する理論は人によって違います。
ただし多くの人は共通しているのものなので、以下の内容を参考にしましょう。
- 部下の話をしっかり聞く
- 能力を判断し、適度に任せることができる
- 怒るではなく叱ることができる
- 相手を認め、褒めることができる
- 部下にやらせる仕事は自分も一度経験している
- 原因よりも今後を考える
中には厳しいことを言うのに信頼されている上司もいますよね
見習い
良い上司は部下のこともしっかり評価し、失敗したことは一緒に対策を考えます
吉良先生
原因論よりも目的論
過去のことが原因で今が結果、というのが原因論であり、今後の目的に沿って行動するのが目的論です。
心理学でいうとフロイトの原因論と、アドラーの目的論で考え方が大きく違います。
仕事においては目的論の方が成長します。
例えば原因論でいうと「要領が悪いから残業が減らない」という考えですが、目的論では「残業を減らすために段取りを変えよう」という考えになります。
目的論はアドラーの有名な考え方であり、過去よりも未来を創造する思考を取っています。
まとめ
この記事ではだめな上司が発言する勇気くじきについてお話しました。
困難を克服する力をアドラーは「勇気」と呼び、その力を奪うのを「勇気くじき」と呼びます。
だめな上司と言うのは日常的に勇気くじきをしています。
もしあなたが上司側であれば、今から注意しましょう。
逆に近くに勇気くじきをする上司がいれば危険です。
上司は転勤や部署異動をしない限りずっと近くにいますので、長期間いれば自身の考え方や体調に影響を及ぼします。
勇気くじきをする上司が近い場合は距離をあけるか、自身が部署異動、転職のように環境を変えて自分を守りましょう。