履歴書の志望動機。製造業を事例に書き方解説
履歴書の中でも志望動機は最も重点を置くポイントです。
書類審査やライバルと差をつけることができる場所なので、何を書けばいいかはみんなが悩むところです。
そこでこの記事では志望動機の書き方を解説します。
特に僕の場合は複数の製造業を経験してきたので、製造業での具体例も紹介します。
【この記事でま学べること】
製造業の中でもタイプは全く違うもの。その深いところまで解説します。
履歴書を書く前に準備
履歴書を書くには「2つの準備」が必要です。
- 自分のスキル、職歴を振り返る
- 企業研究
※文章を書き始める前に事前にしておくことでスムーズに進めることができます。
自分のスキル、職歴を振り返る
まずはあなたが今までどんな職歴やスキルを持っているかを紙に書きだしましょう。 これは小さなことでもとにかく全部書き出すことをおすすめします。
例えばスキルの場合では
- 資格(溶接や危険物など)
- 免許(クレーン、フォークリフトなど)
- 管理能力
- 組立スキル
- NC機械(旋盤、フライスなど)
- 専門技術(ケーキの仕込みなど)
職歴は基本的には履歴書や職務経歴書に書く内容です。
ただ履歴書には書かない内容としても、
- メインの業務以外で行ったもの(整理整頓や部品棚のレイアウト変更)
- 複数の部署経験
- 飲み会やサークルの段取り
- 会議で意見が割れた時の仲裁
- 業務で苦労したと思うこと
これをやってみると意外な自分の長所や強みが見えてきたりします
吉良
企業研究をする
あなたの応募する企業はどんな商品を売っていますか?
求人票とともにホームページは必ず目を通しましょう。
ただこの企業研究というのも奥が深く、同じ製造業でも見方を変えると全然違います。
同じ製造業でもタイプが違う
会社というのは必ずライバル会社が存在し、その中で生き残っているのは強みがあるからです。
強みというのも業界によって様々ではあるのですが、製造業であれば目指す目標は結構似ていたりします。
え!!?企業の強み・・・考えたこともなかったです
春川
企業の強みが分かれば履歴書の書き方も変わってくるよ
吉良
応募先の強み
上の図のように、製造業は特に「価格」「品質」「短納期」「オリジナル性」のどれかに強みを持っていることが多いです。
価格
ライバル会社と比べて安価な商品。
求人票でライン業務と書かれているものや、ホームページで価格がすべて一覧で表示されているものなどは低価格を重視しています。
ライン作業では同じ作業や同じ姿勢というつらさがあるので、忍耐強さや集中力が求められます。
品質
材質や寿命など、ライバル会社と差別化している企業です。
多品種少量生産であるため毎回新しい図面を見ていくため常に学ぶ姿勢が必要となります。
製造であればすでに図面を見れる人は即戦力ですし、初めて見る図面が多いので自分なりの手順や効率化を考えれる人も評価を受けます。
短納期
最近ではどの企業も短納期が必須となりつつあります。
取引先もお客さんからの厳しい納期を依頼されているので、必然的に製造業はスピードを求められます。
企業によっては夜勤での交代制で対応していることもあるので、勤務時間の変動に対応できる方や効率化を考えれる人材が好ましく思われます。
オジリナル性
例えば太陽電池の初期など、新事業を始めたときはライバルが不在でオリジナル性の高い会社です。
そのような会社はライン作業というのはほぼなく、グループ作業での製造などが多いので意外と同僚とのコミュニケーション能力が評価されます。
応募する企業がどんな特徴なのかを判断するのは難しいこともあります。
ホームページや口コミもいいのですが、無料で利用できる転職エージェントから情報収集すると人事の選考基準なども知ることができます。
企業が採用したいと思うもの
企業にとっては熱意のある方や職歴やスキルを持った人材を採用したいと思います。
未経験の職や過去の職歴が活かせない方であれば熱意や意欲を見せることが重要です。
そこで熱意などをアピールできるのが応募先を志望した理由です。
他の会社よりも自分の会社が良いという理由
履歴書を見て企業が「なぜ自社を選んだのか」という理由は気になるものです。
例えばパン屋であれば県内にも多数のパン屋が存在するでしょう。
なので、応募先の〇〇というパンが好きなどその企業の特定商品を名前に出すと好印象を持ちます。
企業のホームページでどんな商品が販売されているかは必ずチェックしましょう。
食料品など安価なものであれば事前に1個でも購入して知っておくことをおすすめします。
企業に合ったスキルがあるかどうか
機械オペレーター業務や塗装経験など過去の経験が活かせるなら必ず志望動機に含めましょう。
即戦力となる人材はやはり他のライバルと差別化できるので、必ず強みとなります。
また、前回の履歴書の特技や趣味で魅せるコツでも紹介しましたがポータブルスキルを意識して書くのもおすすめです。
どの企業でも活かせるスキル。
「協調性」「リーダーシップ」「社交性」「コミュニケーション能力」など
志望動機の書き方
志望動機を書く際は3つのポイントを意識しましょう。
- 退職理由と矛盾しない
- 自分のスキルを入れる
- 企業でなりたいビジョンを書く
それでは一つずつ見ていきましょう。
退職理由と矛盾しない
例えば会社を辞める理由が「今までとは違う職種でキャリアップしたい」という理由であれば、「前職の溶接スキルを活かして御社でさらにスキルを磨きたいです。」は矛盾が起きます。
退職理由は多くの場合本当の理由ではなく前向きな理由とすることが多いので、志望動機のときに矛盾しないように注意しましょう。
面接当日は退職理由と志望動機を必ず確認されるので、自分が履歴書に何を書いたか分かるようにしておきましょう
吉良
スキル、経験を入れる
この記事で事前準備したように、あなたが持っている資格や経験を必ず入れましょう。
企業にとっては自社に採用するメリットがあれば積極的に採用されるため、ここは謙虚に終わるよりも必ず入れるべきです。
志望動機で全く企業に関係のない資格をアピールするのは危険です。
「自社の商品が何をメインにしているか理解していない」と疑われます。
企業で将来なりたいビジョン
応募先に入社したあとに「グループリーダーを目指したい」「効率化を考えて良いモノを早く作れる環境を作りたい」というように前向きな将来ビジョンを書くと魅力的になります。
製造業での書き方事例
では、ここまえの内容を含めて事例を書いていきましょう。
僕が実際に複数の製造業を経験してきたので、志望動機として共感を得られたものや今ではこう書いたらよかったと思うものをお伝えします。
いきなり本番に行くと何を書けばいいのか方向性が分からなくなるので、数回下書きを書いて練習することをおすすめします。
【事例1】パン屋
パン屋であれば違場にもライバル会社が多いです。
そして、人事の方 (オーナーなど) は自社のパンに自信を持っているので、商品名を伝えると印象UPします。
私は御社で人気ナンバー1の〇〇塩パンが好きです。
月に1度家族で買いに来るのですが、今では自分で作りたいと考えています。前職であるケーキの仕込みの経験も活かし、いずれは自分で考えた新商品も出すのが夢です。
【与える印象】
「自社の商品のファン」「基礎知識がある」「将来のやりたいことがはっきりしている」
【解説】
会社の人気ナンバー1の商品というのは実はオーナーが開発したものや思い入れが深い場合が多いです。
なので、その商品を名前に出すことは印象を与えます。
ただし人気ナンバー5などを選択するのも本当の常連客と思わせることができます。
【事例2】グループで作る製造業
新規事業などはグループで一つのものを製作したり開発することが多いです。
その場合は未経験でもチームでの協調性などが高い評価になります。
普段日用品などは私が組立をしていて、モノを作る製造業という職種に興味を持っています。ホームページを拝見したところ御社のメイン装置である〇〇はチームで作る装置と分かり、私が前職で新人教育していた経験も活かしてチームリーダーになることを目指しています。
【与える印象】
「組立が好き」「企業のメイン装置を知っている」「新人教育の経験有り」「チームリーダーを目指している」
【解説】
前職が製造と関係のない職種でもチームリーダーとしての素質を連想させます。
グループでの作業では専門スキルよりもリーダーシップや協調性が評価されることが多いので、未経験の仕事でも企業は採用したいと思われます。
製造の中でもちょっと違った職種ですが、CADを未経験で採用された経験もあるのでこちらの記事も参考になります↓↓
書いてはいけないNG例
最後に履歴書で書いてはいけない事例をいくつかピックアップします。
いろいろ考えていくと書こうと思う志望動機がいっぱいでてきますが、以下の内容はおすすめできません。
NG例はかなりの印象を下げる危険があるので注意しましょう。
吉良
どこにでも通用する内容
履歴書は手書きでもパソコンでも問題ないのですが、注意しなければいけないのが企業ごとに内容を変えることです。
応募先の商品名や理念、特徴を一言でも書いたら企業研究しているというのもわかります。
逆に、志望動機が「自分のスキルを活かせると思ったため」「将来的に有望な会社だったため」「全力で勉強して必ず企業な人材になります」というような抽象的な言葉はNGです。
本当に熱意があっても「他の会社でもいいんじゃない?」と誤解を招く結果になります。
吉良
上から目線で書く
例えば以下の言葉。
パソコンスキルを自己アピールしているのはいいのですが、「自分を雇えばあなたの会社にメリットがありますよ」という言葉は傲慢や自信過剰という印象を受けます。
面接官の心に火をつけて嫌な質問されるので控えましょう。
場所、給料、待遇を全面的に出す
実際のところ応募者にとって場所や給料などは企業を選ぶ基準として大きいです。
しかし、だからといって履歴書でそれを書いても企業からすると雇いたいというメリットになりません。
せっかく自己アピールできる欄なので、企業にとって雇いたいと思う内容を書きましょう。
専門用語に気を付ける
旋盤、CSS、Ruby、など専門用語を履歴書で書くときは注意が必要です。
あなたが受ける会社がIT企業にであればプログラム言語のことを書くと好印象になりますが、その他の企業に言語名のアピールをしても理解してもらえません。
製造でもケーキ屋さんに面接受けるのにNC機械の名称なんか言われてもすごさが分からないでしょう。
なので、志望動機や自己アピールする欄では企業に合わない専門用語は避けましょう。
まとめ
この記事では履歴書の志望動機についてお話しました。
履歴書の中でも志望動機は面接官がかなり重点的に見るところです。
履歴書の志望動機【自分のスキルと企業が求めるアピールを】
- 事前準備で自分のスキルを確認
- 応募先の業界研究
- 同じ製造業でもタイプが違う
- 退職理由と矛盾しない
- 企業に合うスキルを入れる
- 企業でなりたいビジョンを入れる
履歴書は書き方を少し変えるだけでも書類審査や面接突破の確立が変わります。
企業が欲しい人材というアピールができるよう、何度も見直しをしていきましょう。