不具合報告書は無駄?メリットと大きすぎるデメリット
製造業などではミスをしたときに不具合報告書を書くことが多いです。
もちろん理由があってしているわけなのですが、この書類によってデメリットも多く存在します。
なので、実際に製造業で見てきた体験をもとに、不具合報告書のメリットとデメリットを紹介します。
【不具合報告書】
当たり前のように書いているいるが、本当に会社にとっていいとは限らない
不具合報告書のメリット
社員の気が引き締まる
まずは不具合報告書のメリットについてお伝えします。
会社によって詳細は違いますが、ミスが起きた場合に上司や部長、社長というように、様々な上の人に報告がいきます。
人はやはり自分のミスを広めたくないという感情があるため、同じミスを絶対にしたくないという気持ちが働きます。
改善策を考える
不具合報告書を書くと、ミスした原因やミスをしないための改善策を書く欄があります。
先輩や上司がこれまでやっている手順では、ミスをしにくい手順で作業をしていたりするため、助言を受けることでミスのリスクが下がることもあります。
上司によっては「自分で考えろ」という姿勢のこともよくある。協力する姿勢のない会社では部下の育つスピードも遅くなる
不具合報告書のデメリット
社員のモチベーションが大きく下がる
一番のデメリットと言えば社員のやる気が大きく下がることでしょう。書類など書かなくても、ミスした本人は結構落ち込みます。
さらに、まじめな人や考え込む人にとって不具合報告書はプレッシャーを生み、どんどんミスを連発する悪循環になります。
改善よりも書き方を考える
何度も何度も書いているうちに、改善する方法よりも書類の書き方を考えるようになります。
例えば「次からチェックの方法を変える」と書いただけでは上司のハンコがもらえません。
具体的に書けとか言われたり、「今までと何も変わらない」とか「逆に何でそのやり方をしていなかったのか」などとツッコミが入ります。
社員も怒られる時間を減らしたいため、本当の対策よりも模範的な回答を考えるようになります
吉良
社員同士の仲が悪くなる
今まで見てきてよく思ったのが、不具合報告書は「本当に提出しているのか」と他人を疑う人が多いということ。
役員や社長にまで書類が回るというのは確実に自分の評価を落とすため、できれば誤魔化したいと思うこともあります。
実際に隠す人はあまり見たことがありませんが、性格のねじれた人は頻繁に疑い、社員同士の仲が悪くなっているのを見ました。
対策で身動きができなくなる
次回からの対策を方法でマニュアル的なことを書くと、さらにミスしたときはまたチェックする手順が増えます。
最初はいいのですが、5回や6回も続いて書類を書いていくと、チェックだらけでめちゃくちゃ効率の悪い作業になってしまいます。
不具合報告書でミスは減る?
今まで多くの製造業を見てきましたが、不具合報告書を書いてもミスの削減はそんなに減りません。
あまりミスを気にしない人は対策を考えて減ることはありますが、まじめな人に書かせると逆に悪化してミスだらけになるのを見かけました。
怒られることに弱い人や、繊細な心をもつ人にとって不具合報告書は積極性を奪い、仕事中も「ミスをしないため」のことばかり頭をよぎり、本来なら起きるはずのない不自然なミスまで起きるようになります。
不具合報告書は全ての人に良い方向にいくとは限らない。書かせるよりも上司がお手本を見せることでマネして改善されることもある
まとめ
この記事では不具合報告書のメリットとデメリットについてお話しました。
製造業は改善や対策が毎日のように行われています。
これはとてもいいことだと思いますが、社員のやる気やモチベーション、積極性を下げてしまう規則は減らした方がいいと思います。
どうしても上の役職に上がると報告書や書類、対策を考える傾向がありますが、本当に社員のミスを減らすにはどうしたらいいのか。
不具合報告書を書くよりももっといい方法を見つけることが、会社の利益UPにつながるのではないでしょう。